あまり話題になっていないが、九月二十五日に行われる民主党の代表選挙で、投票権を持つ登録党員・サポーターは約二十四万五千人(五月末現在)、昨年よりも約十万人も増加している。この都道府県別内訳が民主党の内部資料としてある。
小沢代表が再選されるのは間違いないが、この内訳は来年六月の参院選で民主党の帰趨を占う基礎資料として注目していい。都道府県別のトップは東京、神奈川を押さえて、岩手県が一万九千八百四十一人でトップに立った。自民党は公募で候補者を選ぶことになったが、小沢代表のお膝元で議席を奪うのは至難の技とみてよいだろう。
二位は東京都の一万八千六百九十四人は、岩手県にトップを奪われる様では心もとない。三位の神奈川県一万七千八百九人、四位の大阪府一万五千百三十五人とともに大都市圏で選挙の手足となる党員・サポーターを増やす必要がありそうだ。
意外なのは、民主党が強いとされてきた北海道が八位(九千八百三十二人)愛知県が九位(八千六百八人)と低調なことだ。秋田県、鳥取県、山口県、宮崎県、島根県に至っては、党員・サポーター数が千人にも届いていない。地方組織が弱いという民主党の体質を表している。
やはり民主党は無党派層を狙った選挙戦を続けるのではないか。二年前の参院選では、自民党の安倍幹事長を相手に、比例代表票二千百十四万票を獲得して、自民党の千六百八十万票を押さえ、参院選躍進の原動力となっている。この結果、比例代表では民主党が十九議席、自民党の十五議席に差をつけた。
来年の参院選こそ天下分け目の関ヶ原と意気込む小沢代表は、選挙区の一人区で自民党に勝つ戦略をとっている。二十九区ある一人区で民主党はじめ野党が二十区とれば、民主党の大勝利になることは間違いない。しかし都道府県別の党員・サポーター数をみるかぎり楽観を許さない情勢となっている。
参院選まで一年を切っている。強腕・小沢代表が、どのような手腕をみせるのか。選挙結果によっては、安倍首相が誕生しても来年六月に退陣に追い込み、年内総選挙になる可能性すら秘めている。(2006・7・22)
63 強腕・小沢代表の手腕は? 古沢襄

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