自民党の総裁選に立つ気満々だった額賀福志郎防衛庁長官も立候補断念に追い込まれた。自民党内の安倍晋三支持の動きは、予想を上回るテンポで広がりをみせている。小泉首相が八月十五日に靖国神社を参拝しようが、しなかろうが関係なしに安倍独走の形となった。
森派に次いで党内第二派閥である津島派(七十四人)が額賀氏の擁立に踏み切るか注目されていたが、青木青木幹雄参院議員会長と津島雄二会長が十日夜、額賀氏と会談して擁立見送りを伝えたという。派内の大勢が安倍支持に傾いているほか地方の党員票も三十票にも満たない状況下では、他日を期して撤退するしかない。
伊吹派も安倍支持。すでに丹羽・古賀派や二階派も安倍支持と、すでに衆参両院議員四百三票の過半数を超えた支持を安倍氏は固めたことになる。地方の党員票も来年四月の統一地方選挙があるので、人気が高い安倍氏を看板にしたいという気持ちが濃厚。
そうなると総裁選は安倍官房長官、麻生外相、谷垣財務相による三つどもえの戦いとなるが、安倍氏優位の状況を覆すのは困難。永田町の関心は安倍首相になって、どのような党三役人事をするのか、外相、官房長官、経済関係閣僚に誰を持ってくるか、といった安倍人事に早くも興味が移っている。
114 額賀氏も立候補せず 古沢襄

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