秋篠宮妃紀子さまの男子出産で日本中が慶祝ムードに沸いている。だが一方で「皇太子さまや雅子妃が可愛そう!」という声もある。さしずめ女房などは、その口である。男の私たちは、これで当分の間は天皇直系の男子が続くと胸をなでおろすのだが、女性心理は少し複雑なものがある。
天皇直系の男子が皇位を継承する現行の皇室典範が続くと、その妃となる方は男子を産まねばならないというプレッシュアを受けてしまうというわけだ。雅子妃の病もそれが原因だと女房はいう。静養中のオランダから帰国した皇太子さまと雅子妃は、この慶祝ムードをどうみているのだろうか。
小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」の報告書は、報告書の柱として女性、女系天皇容認に加え、男女を問わず天皇直系の長子(第一子)優先としている。しかし、秋篠宮妃紀子さまの男子出産で中曽根元首相は、この論議の先送りを唱えている。
次期首相の有力候補である安部晋三官房長官も慎重な姿勢をとっているので、論議は振り出しに戻った観がある。少なくとも皇室典範の改正は、次期内閣の政治課題ではなくなった。しかし三〇年後、四〇年後には、この課題が再燃するであろう。
日本の天皇制度は諸外国に例をみない。首相はコロコロ変わるが、天皇は生涯変わらない。皇室外交も日本の名を高めてきた。ある意味では天皇制度は、日本が世界に誇れる文化ではないか。
その天皇制度を将来にわたって安定的に維持するためには、やはり女性、女系天皇を容認して、男女を問わず天皇直系の長子(第一子)を優先する皇室典範の改正が必要になるのではなかろうか。
秋篠宮妃紀子さまの男子出産で沸く慶祝ムードがおさまったら、冷静になって皇室典範の改正をもう一度考える必要があると思う。それは秋篠宮家にとっても必要なことでなかろうか。
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