自民党の安倍晋三総裁が誕生した。投票総数の66%を獲得した圧勝だが、麻生太郎氏の136票、谷垣禎一氏の102票は、予想を越える善戦だったと思う。明日の朝刊各紙はそれぞれの分析に基づいて解説記事を書くのだろうが、私には谷垣氏の善戦がとくに印象的であった。
安倍新総裁が総裁選の結果をどう受けとめて、党役員人事と安倍内閣の組閣人事を行うのであろうか。一つには麻生氏の得票だと思う。地方党員とくに大都市で麻生票が予想以上にでている。安倍・麻生票を合計すると600票、衆院補欠二選挙、参院選を考えると麻生幹事長を起用して、選挙に向けて万全の態勢を構える選択肢がある。政策的にも安倍、麻生の間には齟齬がない。麻生人気は玄人筋だけでなく、東京・秋葉原の街頭演説で若い層からも拍手で迎えられ、安倍、谷垣を凌駕していた。
もう一つの選択肢は、安倍氏が獲得した267票の議員票をどうみるかということになる。この票数はかねてから安倍支持を鮮明にしていた議員票で、それが伸びていない。総裁選の終盤にきて支持を決めかねていた票が谷垣氏に流れたのではないか。谷垣氏が獲得した議員票は66票、予想よりも20票は多い。自民党内のバランス感覚が働いたとみる向きもあるし、安倍氏が公認を決めている参院選候補者を見直すという発言をしたので、それに反発した現職議員が安倍離れをみせたという見方もある。
267票を重くみれば、中川秀直政調会長を幹事長に起用して、官房長官には中川氏と良い与謝野馨氏に起用という手固い布陣をとる可能性がある。安倍氏が70%を越える支持票を集めていたら、この可能性の方があった。この場合には周辺を固めて中央突破していく小泉流の手法に似たところが出てくるかもしれない。
いずれにしても安倍政権は、小沢民主党と真っ正面からぶつからねばならないのだから、選挙を第一に考える安倍新総裁にとって思案しなくてはならない二つの選択肢になる。新総裁に選ばれた喜びよりも、待ったなしの人事を最終的には一人で決断せねばならぬ事の重さに直面しているといえる。周囲もお祝いは、党役員人事と組閣まで待った方が良いのではないか。総理の座は孤独なものである。
200 安倍圧勝というが・・・ 古沢襄
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