郵政政局で造反、無所属に追いやれた平沼赳夫氏ら十三人は安倍総裁の強い意向で早ければ十月、遅くとも年内に復党が実現する見通しとなった。安倍総裁の意向を受けて、復党工作を水面下で行っていた中川政調会長は「無所属議員が院内会派をつくれば、閣外協力や法案ごとの部分的な協力もあり得る。その中で議論が積み上がる」と遠回しながら二段階復党で実現すると述べた。
これに対して青木参院議員会長、片山参院幹事長らは二段階ではなくて十月復党を求めていて、二十五日に新執行部が決まれば、早急に調整するよう要求している。安倍総裁は郵政法案以外では造反議員たちとは政策上の齟齬はなく、すでに郵政問題は決着をみているのだから、復党上の障碍はないと判断している。
中川氏の二段階復党論は、造反議員の選挙区で対立候補として擁立し、当選あるいは比例復活してきた一年生議員たちの立場を考慮したものであろう。そこから①首班指名選挙で安倍総裁に投票し、臨時国会で各法案採決に自民党と同一歩調をとれば、年内にも復党させる②その手順として、まず無所属の13人が臨時国会で会派を結成して自民党に協力し、その上で12月中旬の国会閉幕後に復党する・・・という案が検討されている。
一方、平沼氏は十三人の当選議員だけでなく、落選した造反前議員の復党も求めており、新しい幹事長と平沼氏が窓口になって、細部の詰めの交渉が行われよう。この場合は総選挙で造反議員に小選挙区で敗れ、比例代表で復活当選した一年生らとの選挙区調整という難しい問題をクリアせねばならぬが、これは復党後に検討する考えをとっている。
造反議員の早期復党には難色を示していた小泉首相や武部幹事長も、安倍総裁の意向を尊重すると洩らしている。安倍総裁は綿貫代表ら国民新党についても、無所属議員の復党に準じた呼びかけをしたい意向のようだが、新党に走った造反議員の側には安易な復党に応じない空気がある。
いずれにしても造反議員が大挙復党する事態となれば、来年夏の参院選に与える影響が大きい。また、それを狙った復党工作といえる。青木議員会長らが早期復党論を唱えているのは、郵政政局で分裂した地方県連の内部修復を急ぎたいということが念頭にある。十月復党になるか、年内復党になるかは安倍総裁の判断次第ということのようだ。
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