220 新しい政界ドラマが始まる 古沢襄

世の中は激しく動いている。”華”がない安倍新内閣の顔ぶれだが、支持率は70%。小泉内閣、細川内閣に次ぐ高支持率となった。とくに女性層が安倍首相に高い支持を示している・一方、民主党は小沢代表の入院で、一時は重体説が飛びかって暗雲が立ちこめている。十月の衆院補欠選挙にも微妙な影響がでそうな雲行き。
新党日本(代表・田中康夫前長野県知事)は荒井広幸幹事長が安倍首相に一票を投じたので、国民新党から絶縁状を突き付けれた。早晩、解党して荒井氏は自民党に復帰、田中氏は民主党入りして比例代表で出馬するのではないか。その方がすっきりする。
やはり小沢代表の病状がはっきりしないことが影響を与えている。民主党の支持率も低迷したままだ。仮に小沢代表が退院復帰しても不安材料が解消されない。小沢頼みの民主党の弱さが露呈されたといえよう。
民主党が低迷したままだとキャッシング・ボードを握るという国民新党の目論みも絵に描いた餅になりかねない。さりとて民主党の補完政党になるつもりはないようだから、国盗り戦略を根本から練り直す必要に迫られる。
そうなると自民党の一人勝ちになりそうだが、一躍、主流派に踊りでた丹羽・古賀派の中も丹羽氏と古賀氏の主導権争いの兆しがみえるし、伊吹派も伊吹氏が重要閣僚として入閣した影響がプラスとでるか、マイナスとでるか微妙なものがある。平沼赳夫氏が復党して安倍応援団の新派閥を立ちあげるのか、伊吹派の客分として復帰して大平沼派を目指すのか不透明なところがある。
その一方で麻生外相は麻生派に衣替えして、他日を期す模様。丹羽・古賀派の内紛が表面化すれば丹羽グループを吸収して大麻生派を目指す公算がある。取り残されるのは谷垣派ということになりかねない。大宏池会の復活というのはかけ声だけで終わる気がする。
派閥というのは同じ志を持つ人間集団なのだから、政党が存在するかぎりなくならない。三人集まれば二人が組み、一人が孤立するのが、人間世界の掟てともいえよう。綺麗事を言ってもはじまらない。カネとポストが動く派閥の弊害は除去すべきだが、志を封印できる筈がない。新しいドラマが始まろうとしている。

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