297 モスクワ便り(トルクメニスタン) 山田みどり

日ロ文化交流で功績があったとして外務大臣表彰を受けたモスクワの山田みどりさんは六十八歳。花好きのロシア女性を相手に日本の華道教授という伝道師の様な毎日を送っている。遠くサハリンに出向いていたかと思うと今度はトルクメニスタン。モスクワにいる日が少ないのではないかと思う。
私がハバロフスクを訪れた日が小学校の入学式であった。日本の私立小学校の制服に似た背広姿の男の子や着飾った女の子が、それぞれ花束を抱いて母親に手を引かれて登校する街頭風景をみた。ロシアでポピュラーな花はカーネーションとバラ。寒さに閉ざされる国だから西ヨーロッパのオランダなどからの輸入ものが増えている。
年に一度はロシア女性のお弟子さんたちを連れて帰国し、京都や奈良を見物させて日本文化の美しさを見せていた。こういう草の根の文化交流に生涯を捧げている日本人女性がいることを知って欲しい。
                  トルクメニスタンの旅
お変わりなくお過ごしの事と思います。昨日トルクメニスタンから帰国しました。暖かい国なのですが、けつこう寒い旅になりました。水のない国ですが、世界一の運河があり、空港から町の中央までは近代的な建物で覆われ、すごく綺麗な町でした。
フランスから設計者と技術者を呼び、建てられた物だそうです。いろいろな形の建物で四角い建物に慣れているロシアの風景より美しいものでした。翌日15階の窓からみた風景は一面霧で上には、さんさんと太陽が出ていますのに、下は霧で覆われ、高い建物の頭だけが出ていまして、幻想的な風景に出会いました。
こちらでも大変珍しいとのこと。30年近い独裁者の大統領の下で、旧ソ連時代よりもつといろいろ厳しい制限ガ有る様です。何処にでも大統領の写真が飾られていました。
初めての天皇誕生日をトルクメニスタンで行いましが、各国大使館から祝賀の人が来てくれたのに、トルクメニスタンの要人は石油省と外務省のお役人だけ。日本大使館が招待状を出したのですが、上の許可ガ無いと出席出来ないシステムだそうです。
大統領のバイブルというものがあるそうです。それをお役人は日々唱えているとか。私は会場の舞台造りに協力するのですが、天皇誕生日は日の丸の国旗を何時も立てることにしています。そのスペースを指示していましたら、トルクメニスタンの国旗も立てるとホテルの従業員は言い張るのです。
これはわが国の主催であり、わが国の天皇誕生日であると説明しましても、理解してくれません。今回は報道関係者、経済界関係者、大使館関係者等が一緒でした。人手ガ足りなかつたこともあって、私の裁量で事を運び、一人歩きが自由でしたが、他の人たちはすべて監視つきだったといいます。
石油ガ出て天然ガスがあり、綿花も生産している”豊かな国”の筈ですが、潤うのは上のほうだけのようです。市場を見ましたが、リンゴなど到底食べらるものではありません。5センチ位の青いものが売つていて、乾燥果物やナッツが豊富というの事でしたが、小さい質の良くないものばかりでした。
その点はウズベキスタンの方が果物もナツツも大振りで良いものが、沢山市場に出回っています。トルクメニスタンは砂漠と泥濘の土壌の暑い国ですから、植物は余りよく育たないようです。
国民一人の平均給料は100$位だそうですが、ガスや高熱費はただで、ガソリンも安く、タクシーも1時間140円位、2人でピザとコーヒーを1流ホテルで食べても6$でした。
モスクワのサラダとパンとジュースを普通の町のカフエで注文すると25$、約2800円。それを考えるととても安いと思います。トルクメニスタンの人に言わせると生活は楽だとの事?これも大統領のお陰と言います。そうなのかな?そう言わされているのかな?
まだまだ書きたい事は有りますが、ともかく初めての国の印象です、だいたいほとんどビザは出さない鎖国的な国ですから、あまり外国人が出入りしません。普通は入国は難しい様です。ともかく面白い楽しい仕事でした。それではまた。
<トルクメニスタン>出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トルクメニスタンは、中央アジア南西部に位置する共和国。カラクム砂漠が国土の80%を占めるものの、豊富な石油や天然ガスを埋蔵する。西にカスピ海に面し、アフガニスタン、イラン、ウズベキスタン、カザフスタンと国境を接する。首都はアシガバート。永世中立国。
人類最古の農耕集落遺跡のひとつアナウ遺跡(アシガバド郊外)。 紀元前2(3?)世紀頃のパルティア王国(中国名「安息国」)の発祥地ニサ遺跡。またこの時代現在のアシガバドの位置に小さな集落があった。
国家元首である大統領は、1990年以来ニヤゾフであり、終身制である。首相を兼任する。ニヤゾフは、2008年から2010年頃に大統領選挙が行われると表明している。マジュリスと呼ばれる50議席の比例代表制の議会があるが、議員全員は大統領の承認を得る必要がある。
国権の最高機関は国民評議会(ハルク・マスラハトイ)である。国民評議会は、100議席以上であり、大統領び主宰下、マジュリス代議員、閣僚、地方、司法権等の代表が入る。国民評議会は、大統領不信任案を提出し、弾劾に関する国民投票を行う権限を有する。
旧トルクメン共産党の後身トルクメニスタン民主党による事実上の一党独裁制で、ニヤゾフ大統領が同党の議長を務める。
憲法では複数政党制が認められているものの、トルクメニスタン民主党以外の合法政党は農民正義党の1つしかない。この農民正義党はトルクメニスタン民主党の地方幹部により構成される衛星政党であるため、実質には複数政党制は機能していない。2004年12月19日の議会(マジュリス)選では、全50議席をトルクメニスタン民主党が独占した。
ニヤゾフ大統領の完全な独裁体制が確立しており、欧米からは「中央アジアの北朝鮮」といわれている。 黄金のニヤゾフ大統領像は高さ14メートルで、太陽を追って回転する。(2005年3月5日朝日新聞)
国境線の長さは3736km。カラクム砂漠が面積の多くを占める。ウズベキスタンとの国境付近にアムダリヤ川が流れており、そこからカラクム運河が分かれていて、灌漑農業などに利用されている。
亜熱帯性砂漠気候。夏は40~50度、冬は0度ほどにもなる。日中と夜間の寒暖の差が激しい。昼と夜で20度を超える温度差になることもある。雨はほとんど降らない。(春に少し降る)
主な産業は、天然ガス、石油、綿花栽培、繊維工業。特に天然ガスは世界第四位の埋蔵量の資源大国である。資源輸出により潤沢な資金流入があるはずだが、ほとんどが大統領周辺に消えているという指摘がある。失業率が高く(30%前後)社会不安が懸念されている。
トルクメニスタンは他の中央アジア諸国と比較した場合、鉱物資源に乏しいと言える。例えば、金属鉱物資源は採掘されていない。
ただし、有機鉱物資源、特に天然ガスに恵まれている。2002年時点の天然ガス産出量は1944千兆ジュールであり、これは世界シェアの2%に達する。輸出額に占める天然ガスの割合は2000年時点で49.7%。原油(802万トン)にも恵まれている。輸出額に占める石油製品と原油の割合は合計30.2%である。したがって、輸出に占める鉱業(一部、化学工業が含まれる)セクターの割合は8割に達する。なお、石炭はほとんど採掘されていない。
トルクメン人が人口の大半を占めるが、ロシア人やウズベク人も多い。現在はロシア人は減少傾向にある。トルクメン人(85%)、ウズベク人(5%)、ロシア人(4%)、その他(6%) (2003年)
トルクメン語が公用語だが、ロシア語が広く通用する。トルクメン人でも長く都市部に住んでいる者やエリートなどの中にはロシア語を母語とし、トルクメン語が満足に話せない者もいる。

コメント

  1. マーチ より:

    こんばんは。
    だいぶ前の記事ですが、興味深く読ませていただきました。
    トルクメニスタンについて関心があります。
    でも、最近のトルクメニスタンは前に比べていかがでしょうか?
    お忙しいところすみませんが、御返事お待ちしております。
    宜しくお願いします。

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