防衛庁が省に昇格する。改正法案が今国会で成立するであろう。米国の国防総省とまではいかないが、国民を外敵から護る重要な役割を担う。戦前の様な軍部独走を許さないためにシビリアン・コントロールが機能しなくてはならない。
初代の防衛大臣は久間長官がなるのだろう。新たな自覚と責任感が求められるのだが、どうも頼りにならない。ひと頃より太って、そのせいか”おつむ”の回転が鈍くなった様な感じさえ受ける。現場の制服組は何となく不安に思っている様だ。
これまでの防衛庁長官でも、これが国防を預かる大臣かと思う者がいた。選挙区に帰るのに自衛隊のヘリコプターを使ったり、軍楽隊まで引き連れた不心得者もいる。日陰者の大将という気分があったのではないか。
勇み足では困るし有害だが、北朝鮮という厄介な隣人がいるのだから、万一の事態に備えて先頭に立つ気構えだけは忘れてはならない。一旦急ある時は果断に決断を下し、国民を護る軍の最高責任者という姿勢が必要である。間違っても選挙区帰りしていたので、間に合わないということであってはならぬ。
久間長官が米国の対イラク開戦を支持したのは政府の公式見解でなく、小泉前首相の個人的見解だと国会で答弁したのには仰天した。安倍首相も耳を疑ったのではないか。翌日には「私の不勉強で、閣議決定を見過ごしていた。公式(見解)でなかったというのは私の間違いで認識不足だった」と発言を撤回し、謝っている。
小泉首相の個人的な見解だと思うなら、何故その時に身体を張って反対の意思表示をしなかったのか。自衛隊のイラク派遣にも反対すべきであった。今になってクドクド言い訳をしても始まらない。
米国の開戦について「あまり支持する気持ちがない」と言うのは良かろう。「早まったのではないかという思いが、その時もしていた。個人としては今でもそう思っている」と評論家の様なことを言うのは女々しいではないか。
初代の防衛大臣がこれでは自衛隊の志気にかかわる。北朝鮮のミサイル攻撃を受けたら、大将がこれでは武器を投げ捨て、軍服を脱いで逃亡する者も出るのではないか。戦わずして敗北することになる。もう少しシャンとしてくれないことには、国民こそいい面の皮になりかねない。”しっかり”して下さいよ。
コメント