連日のように衆院岐阜一区をめぐる佐藤ゆかり、野田聖子の両議員のバトルが面白可笑しく報道されている。いわば芸能ニュースの扱いだ。佐藤ゆかり議員が「支部長は私!」と連呼すれば、野田聖子議員は「予備選挙を!」と応じている。
公平にみれば、候補者調整が難航すれば勝てる候補に収斂するのが道理であろう。野田聖子議員が復党した現在、郵政造反という過去は免罪となった。いうなら誓約書を出して復党した瞬間に佐藤ゆかり議員と野田聖子議員は同じスタート地点に立ったといえる。
世論調査によれば、復党に反対する世論の方が強いという。それなら、なおさらのこと、堂々と予備選挙をやって佐藤ゆかり議員が勝てばよい。野田聖子議員は予備選挙を主張しているのだから、負ければ納得して比例に回るであろう。
山梨二区、三区も予備選挙を正々堂々とやるべきであろう。佐賀三区など他の選挙区も同じことだ。ガラス張りで決着をつけるべきで、中川幹事長がリーダーシップを発揮すべきであろう。それで復党組が勝てば、民意に従うべきだ。
それをやると負け組の支持票が参院選で寝てしまう恐れがあるという。これこそ党利党略で、コップの中の嵐に過ぎない。寝てしまうような支持票を持つ議員なら、比例候補からも外せばよい。リーダーシップとは、そういうものだ。
岐阜一区を例にとれば、佐藤ゆかり議員は予備選で勝つ自信がないかにみえる。事実、昨年の総選挙では無所属で出馬した野田聖子議員とせり合って一万五〇〇〇票差をつけられ落選、比例で救われた。資金力でも個人献金では野田聖子議員に圧倒的な差をつけられている。
支部長を呼号することより支持基盤を固め、個人献金を集める努力が必要ではないか。党本部からの政党交付金を当てにするようでは、足腰が強くならない。企業・団体献金でも二千数百万円を集めた野田聖子議員に対して佐藤ゆかり議員は百万円程度。一年生議員だから仕方ない面があるが、岐阜県内における認知度に差がある。
衆院議員は常在戦場、今、解散・総選挙があれば、中川幹事長ら執行部は迷わず野田聖子議員を小選挙区候補に立てるであろう。一年生議員の半数は次の選挙では消えていく。生き残った議員が二年生議員になれる。このようにして多選を重ね、閣僚・党役員を経験しても高齢議員となれば、容赦なく新人に蹴落とされ引退を余儀なくされる。
ある意味では野田聖子議員という強力なライバルがいる佐藤ゆかり議員は恵まれている。支持基盤を固め、野田聖子議員に追いつき、追い越す地道な努力をすれば、一度や二度落選の憂き目をみても、再チャレンジする中で自分が強くなる。消えていく一年生議員ではない。支部長だけに拘っていれば、その道は遠ざかるのだが・・・。
324 芸能ニュースばりのゆかり・聖子バトル 古沢襄

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