411 盛会だった辻トシ子さんの米寿パーテイ  古沢襄

予想はしていたが辻トシ子さんの「米寿を越えた喜びの会」は政財官界の大物が揃って出席して盛会であった。五日午後六時からホテルオークラの平安の間で開かれたパーテイには約一〇〇〇人が顔をだした。

藤村志保さんの司会で会が始まった。車椅子の宮沢元首相がお祝いの言葉を述べたが、加藤紘一氏は「宮沢さんは体調を崩しているので、私が宮沢さんの挨拶を代読する心づもりでいたところ、辻さんの会だけは自分がでて挨拶したいと聞かなかった」と内幕を披露していた。
挨拶を終えた宮沢さんは私の前を通って早めに退席したが、挨拶の言葉もしっかりしていたし、元気な様子であった。一日も早く体調を回復して欲しい。谷垣前財務相、塩崎官房長官もいたから、さながら宏池会・旧池田派の決起集会の様相だったが、麻生外相、古賀元幹事長の姿はなかった。
村山元首相、綿貫民輔国民新党代表、藤井民主党前代表代行も出席、村山さんは宮沢さんに次いでお祝いの挨拶、綿貫さんが乾杯の音頭をとったから、まさに超党派の集まりとなった。政界を引退した筈の野中元幹事長も加わって注目を浴びていたが、この人物はまだ枯れていない。ポスト安倍で思案をめぐらせていたのではないか。
政界再編があるとすれば、ここに集まった顔ぶれがひとつの核になるかもしれない。自民党のハト派が底流で動きだした予兆がある。岸・福田系列である森元首相、小泉前首相、安倍首相とは違った動きになるが、自民党内に緊張感をもたらすことは、むしろ歓迎すべきであろう。今の安倍内閣には緊張感が欠けている。
辻トシ子さんは池田元首相と佐藤元首相の信用が絶大であった。宏池会・旧池田派の大同団結の先をみているフシがある。つまりは旧佐藤派の流れを汲む津島派の動きによって政界再編が具体味を帯びてくる。小沢流とは違う政界地図を描いているのではないか。この大パーテイの盛況ぶりを目のあたりにして、何かが動きだした気配を感じている。乾杯の音頭をとった綿貫さんは「辻先生の白寿(九十九歳)百寿(百歳)の乾杯の音頭も私がやります」と言っていた。

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