民主党の菅直人代表代行は先に東京都知事選で浅野史郎・前宮城県知事が同党の立候補打診を断ったことについて「民主党としていろいろなことは考えないといけない。同時に無党派、市民の方が自発的に動いている」と希望的観測を述べていた。
その上で「政党は政党としての役割はあるが、それを超えた多くの都民、市民の皆さんの動きも始まっている」と述べていた。
浅野氏に立候補を求める市民集会が16日に開かれたことを受け、世論の動向と浅野氏の対応を十分見極めるべきだとの考えを示したものだ。大津市内で記者団に語った。Asahi Com 2007年02月17日22時20分。
今のところ、石原慎太郎知事の3選を阻む自信が全くないものだから、逃げまくっているようにしか見えなかった。多分、浅野氏を何とか説き伏せるべく、裏で工作していることが感じられた。そういう言い回しでは無いか。
一方、小沢代表は17日、津市での記者会見で「浅野さんはたぶん出馬の意思はないだろう」と語った。菅氏については「(私と鳩山氏との)3人の役割分担がうまく機能してきたので、今後もそういうことでやっていきたい」と、都知事選には擁立しない考えを重ねて示した。Asahi Com 2007年02月17日22時20分
しかし、このままでは石原慎太郎都知事に戦わずして3選を許す危惧も出てきたため、民主党東京都連は遂に21日、「最強の候補」として菅氏に出馬再考を申し入れた。菅氏は当然、即答を避けた。必死の逃亡である。
民主党は幼稚すぎる。これまで断られた著名人は浅野史郎・前宮城県知事(慶応大学教授)を筆頭に放送キャスターの筑紫哲也、久米宏、鳥越俊太郎、安藤優子の各氏ら。その経緯が次々に暴露されてきた。したがって誰だって「あいつが断ったお下がりを私が食えるわけ無いだろう」となる。実に稚拙なのである。
次に党内では海江田万里前衆院議員、小宮山洋子衆院議員、蓮舫参院議員の名が挙がったが石原氏に対抗するには力不足。そこで「国民的知名度もある」として再び菅氏に矢が戻ってきたのである。
菅氏は15日の記者会見で「私は出馬しない。小沢代表のもとでの政権交代を目指すことに直接携わる仕事をやっていきたい」と出馬を否定。エイズ問題で名を挙げた厚生大臣時代に思いが返るのは当然だろう。
そこで菅氏の周辺は擁立論を押さえ込むため、市民グループを使って浅野氏に再考を促し手いるが、浅野氏は不快感を示している(夕刊フジ22日付)。浅野氏は菅工作の匂いをかいだから不快なのである。これで浅野氏は敵に回る。
この問題は民主党に人材が払底していること、外部の人材起用に拙劣なこともさることながら、党内の結束が十分でないことが最大の弱点だろう。まさか不戦敗では小沢代表の好きな参院選挙も戦えなくなる。さりとて小沢氏が立ったところで都民は「粋じゃない」とソッポを向くだろう。
<「勝てる候補を」直訴 都議会民主、菅氏念頭に
4月の東京都知事選で、石原慎太郎知事の対立候補擁立をめぐり、都議会民主党は21日の議員総会で「勝てる候補」を早急に擁立するよう党本部と都連に文書で申し入れることを決めた。特定の名前は出さなかったが、菅直人代表代行を念頭に置いたという。
ただ小沢一郎代表と鳩山由紀夫幹事長、菅氏の3者で「菅氏不出馬」は確認済み。「菅氏擁立は事実上消えた」(党幹部)との見方が大勢で、擁立作業は告示を1カ月後に控え、混迷している。
文書は「民主党が本気で立ち上がらなければ政権奪取は夢のまた夢。都知事選候補は党の理念を体現し、打倒石原を最も期待できる人」と、全党挙げての体制をつくるよう求めた。
都知事選で同党は昨年11月、独自候補擁立を決定。都連幹部が知名度優先の人選を進めたが2月、「党外最後の候補」とされた浅野史郎・前宮城県知事が固辞。党選出国会議員や元議員からの人選に移行している。>東京新聞 21日 2007.02.21
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