488 武士道否定で「いじめ」 渡部亮次郎

浅学にして知らなかった。定年後「名誉教授」を名乗らせないのは怪しからん、と大学を訴えた人がいたとか。産経新聞の教育欄(2007・3・19)で「卑怯を憎む心を育てよう」と武士道精神の復活を呼びかけておられる。
それが東京大学時代は全学連の組織部長だったというから驚きが止まらない。
全日本学生自治会総連合は、1948年(昭和23年)9月に日本全国の国立、公立、私立の145大学の学生によって結成された。初代委員長は後に新日本文学会の指導的な立場に立ち、安保闘争のときに日本共産党を批判する呼びかけを行って党を除名された武井昭夫である。
ついで委員長になったのは、のちに学習院大学の教員となり中曽根康弘のブレーンとなった香山健一であった。
初期の全日本学生自治会総連合は、日本共産党の強い影響の下で、反レッドパージ闘争、朝鮮戦争反対闘争、全面講和運動などを行った。
この時期に全学連で活動した者には、後述する東大の山川暁夫、元西武セゾングループ総帥で作家の堤清二、後の日本共産党議長不破哲三と副委員長上田耕一郎兄弟、元桃山学院大学学長沖浦和光、東大教授の神代や戸塚秀夫、歴史学者の犬丸義一、早大から新聞記者を経て田中角栄秘書となる早坂茂三らがいた。
彼らは学生時代は全員同じ共産党員であり、早坂を除けば共産党の東大細胞(支部)に所属していた。70年代まで、山川と早坂、堤との交流は長らく続いていたという。このことは全学連運動の当時の人間関係の密度の濃さを表している。
(爾来、紆余曲折を経て)1963年(昭和38年)に革マル派が大会を単独開催して以来、統一を見ることはなく、現在の学生運動は民青系(日本共産党系)、中核派系、革マル派系、革労協現代社派系、革労協木元派系の5つの全日本学生自治会総連合(全学連)が並存する状態に至っている。
元東京女子大学教授としか名乗れない林道義氏。70歳。新聞の紹介では専攻は深層心理学。著書に『母性の復権』『父性の復権』『家庭の復権』の3部作のほか、「」フェミニズムの害毒』『家庭を蔑む人々』など多数とある。全学連と武士道は正反対のものと思えるから、先生は転向したのだろう。以下< >内が林さんの最近の主張である。
<戦後の家庭でも学校でも卑怯を憎む武士道は、戦争をもたらした過去の間違った道徳だとして教えられることがなかった。ここにいじめ現象の淵源がある>
<昔は「卑怯!」と非難される事は最大の侮蔑であり屈辱であって、その行為を止めさせる大きな効果を持った>
<弱いものに集団で、しかも執拗に苛める行為は、卑怯・卑劣を憎む心があれば、ありえないことである。>
<しかし昨今では「卑怯」となじっても誰もたじろがない。ただせせら笑われるだけである>
<卑怯ないじめっ子は、大人に知られることが何よりも恐いので、通報することを「ちくる」と名づけて、最も卑怯なこととして憎み、「お礼参り」の対象としている>
<卑怯の観念が逆転しているのである。この「卑怯の逆転現象」を是正しない限り陰湿ないじめは無くならない>
<中教審や教育再生会議は・・・根本的な人格を育てる家庭教育や道徳教育について、もっと議論をして欲しいものである>
林道義(はやし・みちよし、1937年-) は、経済学者・心理学者・評論家。元東京女子大学文理学部教授。日本ユング研究会会長。長野県飯田市出身。東京大学法学部に進み、在学中は全学連組織部長。
その後、大学院経済学研究科に進み、マックス・ウェーバーの研究で博士課程を修了。経済学博士の学位を得る。その後、東京女子大学に籍を移しユングの研究に転じ、多数の訳書で知られる。
1996年の『父性の復権』以降は、反フェミニズムの論客として有名になり、『フェミニズムの害毒』(1999)などの著作も多数出版している。
趣味は囲碁で、深層心理の観点から囲碁を考察した著作もある。定年退職時に名誉教授の称号が与えられなかったことを不服として、メディアなどを通じて東京女子大学を告発している。
林道義の批判者の1人である林紘義(旧社会主義労働者党委員長)は実弟。
武士道(ぶしどう)とは、近世日本の武士が従うべきとされた規範をさす。
今日、この言葉が指し示すところは、歴史的に実在した日本の中世・近世の思想としての「武士道」と、近代以降に日本のアイデンティティの拠り所の1つとして再創造された「武士道」である。
後者の「武士道」は、「君に忠、親に孝、自らを節すること厳しく、下位の者に仁慈を以てし、敵には憐みをかけ、私欲を忌み、公正を尊び、富貴よりも名誉を以て貴しとなす」という態度を念頭に置いていることが多い。
林さんも学生時代に武士道を知れば、人生遠回りすることなく、名誉教授にもなっていただろうに。参考資料: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2007.03.22

コメント

  1. 武道通信 より:

    武士の妻女からみた武士道
    検索“修行”しておりました道中、貴HP(道場)へ立ち寄った者にて候。
    突然のお知らせ(書き込み)にて御免!
    現代の女性に求められる「女性の品格」の源は武士の妻女の品格、気品です。
    武道通信http://www.budotusin.net
    へ御立ち寄りいただき『武士の女の品格』──武士の妻女からみた武士道を
    お読みいただければ幸いです。

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