518 「ハイライト」と「天下分け目」 古沢襄

統一地方選前半戦の「ハイライト」は東京都知事選だったという。最初から勝負が決まっていた様な選挙なのにハイライトとは、これ如何に?と言いたくなる。都政の私物化、暴言癖、鼻につく貴族趣味と石原都知事は、あらゆる非難を浴びせかけられたが、蓋を開ければ百十二万万票もの大差をつけた石原圧勝に終わった。
空振りハイライトの後は「天下分け目」の参院福島・沖縄両選挙区の統一補選だそうだ。五日告示、投開票は二十二日。自民党の中川幹事長は福島・沖縄とも勝ちにいくと勇ましい。
この両選挙区は昨年十一月の知事選で、野党側が現職の国会議員を立てたことからくる補欠選挙。これがどうして「天下分け目」の選挙なのだろうか。野党が二議席とも自民党に奪われたら打撃は深刻だが、致命傷ではなかろう。知事選の候補者難から、国会議員を安易に転用するやり方は、誉められたものではないが、与野党ともやってきている。
自民党が二議席を奪還すれば、参院選の勝敗ライン「65議席」が「63議席」に下がるという。芸の細かい計算だが「天下分け目」と騒ぐほどのことではない。補選で勝っても本選挙で負ければ、この計算自体が成り立たない。
客観的にみれば野党が持っていた議席なのだから、野党が二議席確保しても”もともと”という計算になる。現状では福島は民主党候補が優勢、沖縄は与党系と野党系が接戦を演じている。
やはり沖縄が焦点ということではないか。沖縄を落として”一勝一敗”となれば、野党にとっては、事実上の敗北となる。自民党にとっては”拾いものの一勝”ではないか。
気になるのは、民主党が福島に鳩山幹事長、沖縄に菅代表代行を責任者として張り付けたことだ。菅代表代行は都知事選でも東京に張り付いた。このところ損な”籤”を引いているのか、引かされているのか知らないが、よく我慢している。
それにしても小沢代表の姿がサッパリ見えない。参院選の一人区に焦点を絞って、地方行脚を続けているというが、街頭演説などの「空中戦」は菅代表代行らに任せ放しというのは頂けない。「補選二勝」を旗印にして、小沢代表、菅代表代行、鳩山幹事長の三者が、沖縄の舞台で揃い踏みといかないものだろうか。

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