542 篭脱け詐欺に怒れ 渡部亮次郎

金品を預かった上、表口に人を待たせて建物の中に入り、裏口から抜け出して跡をくらます詐欺のことを「篭脱け詐欺」と言う(広辞苑)。温家宝中国首相の国会演説の手口はこの籠抜け詐欺の手口そのものなのに国会議員は口をあんぐりさせたまま、外務省は抗議したとの報道もない。
あまつさえ温首相は天皇への表敬の席で予定に無かった北京五輪への招待を突如持ち出して「後ろ足で砂をかけた」というか最後っ屁を放って去った。あまりにも我々を愚弄している。
両国全土にテレビ中継された国会演説で温首相は演説原稿にはあった「戦後、日本の平和発展の道を中国人民が支持する」と言う部分を読み飛ばした。これはハプニングなんかではなく意図的に飛ばしたのである。
安倍総理がよく使うフレーズだから人民には聞かせたくなかったのである。しかも靖国参拝を念頭において「実際の行動で示せ」とは実に又失礼である。それなのに満堂大拍手なのだから日本の国会議員はどうかしている。一部にはさすが渋面をした議員もいたが。
だいたい温首相如き軽輩を天皇に合わせた外務省がどうかしている。こちらが先に総理大臣訪中をして敬意を最大級に表したのに総書記でなく首相を訪日させるとは失礼この上ないのに、あまつさえ天皇表敬を許すとは舐められすぎている。
産経新聞の山本秀也記者がワシントンから暴いたところ(4月22日付紙面)によると、中国共産党は温首相の訪日に先立って1月に北京で出版・報道管制に関する党・政府連絡会議を開き、対日報道について「中日関係の大局を妨げてはならない」と情報操作を指示していたことが明らかになった。
これは対日関係の改善を決断した外交路線に国内外のメディアを従わせる一方、報道関係者が当局のガイドラインを超えて独自に安倍政権などを論評することを規制したものだと山本記者は言っている。
これを証明するように中国国内では温訪日に向けて公式メディアの対日論調が極めて軟化していた。つまり中国共産党は対日世論を自らの都合の良いように操作しているわけで、演説を聴いた加藤紘一氏が「練りに練った演説」と言ったように、日本は練りに練って翻弄されているのだ。それなのに沈黙している。!)(とう)小平が隠し通したように日中友好が必要なのは日本ではなく中国なのだ。確りしろ。(4月28日付け「夕刊フジ」掲載を再掲)

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