<官房機密費の支出情報不開示は「不当」 市民団体が提訴
安倍首相らが内閣官房長官だった05~06年の内閣官房報償費(官房機密費)の支出情報を公開しないのは不当だとして、大阪の市民団体「政治資金オンブズマン」のメンバーが18日、国を相手に官房機密費の不開示処分取り消しを求める訴えを大阪地裁に起こした。
年間10億円以上にのぼる同機密費の使途公開を求める裁判は全国初という。
訴状によると、同オンブズマン共同代表の上脇博之・神戸学院大大学院教授(憲法学)が昨年10月、細田博之衆院議員と安倍首相が官房長官だった05年4月から昨年9月までの官房機密費の使途を示す文書を開示するよう求めた。
だが、内閣官房は「国政を円滑に遂行するための経費。使途公開は重大な支障を及ぼす」と不開示にした。
上脇教授は、政治家のパーティー代や飲食費で不適切に使われている可能性があると指摘。「多額の公金の使い道を国民に示さない姿勢は許されない」と訴えている。
外務省の報償費(外交機密費)では、東京地裁が昨年3月、支出文書を不開示にした外相の決定を取り消し、大部分の開示を命じている。> Asahi Com 2007年05月18日16時19分
昔、韓国の大統領が言った。「わが国も終わりだ。スパイに私からカネの領収証を出せ、と会計検査院が言うんだ。スパイが領収書を出すわけないだろう?
今回の上脇博之・神戸学院大大学院教授(憲法学)らの要求は、韓国のスパイ代のような話だ。したがって政府が内閣官房報償費(官房機密費)を公開するような事態には決してならないだろう。政府にたかる野党の実態が出てきたりしたらどうなるんだ。
私が秘書官として仕えた園田直氏は外務大臣の前が官房長官だった(福田赳夫内閣)。私は、以前から親しい仲だったから、記者時代も官房長官室に出入りしていた。
もちろん私の目前でカネを渡すような事はなかったが、後で聞けばほとんどが野党議員に渡っていた。当時はまだ、いわゆる55年体制で、最大野党の日本社会党はさながら「組み込まれた反体制」であって、大抵の議員は小遣いを官房機密費に頼っているのが実情だった。
もちろん領収証は取らない。また官房長官も使途をどこにも報告する必要うは無いが、園田氏は詳細に記帳していた。
ある社会党長老は園田氏が外務大臣に転じても何がしかの期待を持って、訪中前に執拗に面会を求めてきた。執拗過ぎたから意図がばればれだった。だから絶対、面会はさせなかった。
もちろん細田博之衆院議員と安倍首相が官房長官だった時代、どういう使い方をしたか、園田氏とは違っただろう。しかし野党と対決と妥協を繰り返しながら国会対策を乗り切ってゆくという基本的な構図は全く変わっていないのだから、大して変わっていなかったと思う。
もちろん公開すれば、飛んでもない人物の名前も出てきて面白いだろうが、その人物は途端に社会的地位を失うだろうし、痛手は相手の負うことが大きいはずだ。少なくとも自民党にはそれほど渡っていないはずだ。
卑しくも大学教授ともあろう有識者が、何を狙ってこういう問題に取り組むのか、判断に苦しむ。かつて空港騒音訴訟、新幹線騒音訴訟はいずれも権力から遠い大阪から出された。それに似たところだろうか。喩えは良くないかも知れないが、蛇を恐れぬ盲人に似ている。2007・05・18
567 スパイからの領収証 渡部亮次郎

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