6月7日。プラハ。ドイツで開催のG8に先立って、チェコ入りしたブッシュ大統領は、人権関連の国際会議に列席して演説した。
「中国は経済開放のみならず、政治制度も開放するべきである」。
とくにブッシュ大統領は「人権活動家のルビア・カディア女史の息子だからというだけの理由で、彼女の子息のアビリキム・アブデラレイム氏を四月に拘束し、九年間の禁錮などとは(なにごとか!)」と中国を批判した。
ブッシュ大統領は、昨秋、ノーベル平和賞に擬せられながら北京の圧力で受賞をのがしたとされる新彊ウィグル自治区の人権活動家ルビア・カディア女史とプラハで面談した。
カディア女史は新彊ウィグル自治区の実業家として知られ、また十一人の子持ちという肝っ玉かあさんとしてウィグル族の人気がある。
中国は、彼女の一家が「脱税」をやらかし、しかも「アルカィーダに繋がっている」などとして、他の息子二人も逮捕。
過去にカディア女史自身も、冤罪で九年間監獄にぶち込まれ、05年に米国に亡命した。その後、世界をまわってウィグル自治区内での中国共産党の激しい人権弾圧の情況を訴えてきた。
8日、北京の中国外交部は「犯罪者と面会し、中国の内政に干渉した」と語気を荒らげ、強く米国ブッシュ政権を非難する談話を発表した。(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より)
670 670 ブッシュ、プラハでウィグル活動家と 宮崎正弘

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