677 677 NYのカレーライス 渡部亮次郎

アメリカへ行くと、どういうわけか焼き魚とカレーライスが食べたくなったものだ。ところがアメリカ人はおしなべてカレーの匂いが大嫌いだそうで、どのレストランでもメニューには無い。
又魚を焼くにおいは人間を焼く匂いだといって厭がる。ロスアンジェルスでは、なんとか、ボイルで勘弁してくれないかといわれた。あれから何十年、事情は変わったろうか。
先ごろ金沢市のレストランがNYのど真ん中マンハッタンにカレーライスの食堂を進出させたというニュースがあったが、大丈夫だろうかと思ってしまう。客は日本人と何国人だろう。匂いが厭だと周囲から文句を付けられないか。
1970年代の終わりごろからニューヨークでNHK特派員をしていた堀徹男君は元はといえば政治部の同僚だった。NYではメイン・ストートの五番街に程近いアパートで奥さんと2人暮らしだった。
この奥さんは数年前、東京で急死されたが、早くにNHKを退職した私だからネット・ワークが及ばず、とうとう葬儀に参列する事はできなかった。それが未だに気がかりであるぐらい、堀夫人には世話になったのである。
何を隠そう、NYでカレーライスを作って戴いたのである。下手をすると、アパートの管理組合に呼び出され、退去を命じられる危険を冒しての「冒険」を強いたのである。
カレーソースを手軽に作るため、日本では市販の即席カレールーが使われている。製品としての粉末の即席カレールーはハウス食品が1926年に(商品名・「ホームカレー粉」)、固形の即席カレールーは、エスビー食品が1954年にそれぞれ日本で最初に製造した。
2004年度のカレールー(家庭用即席カレー)国内出荷額は676億円とされ、各社のシェアはハウス食品約61%、エスビー食品約28%、江崎グリコ約10%と推計される(日本経済新聞社)寡占市場である。
しかしNYでは当時、そんな物はどこにも売っていない。堀夫人はどこをどう捜して私にカレーライスを作って下さったのだろうか。今では謎である。
いずれ話はワルドーフ・アストリア・ホテルに滞在中だった園田外務大臣にばれた。「ナベしゃん、ワシも食いたかったとバイ」とこぼされた。
カレーライス 肉や野菜を、さまざまな香辛料をブレンドしてつくられたカレー粉で調味したカレーソースで煮こみ、米飯にかけて食べる料理。ライスカレーともいう。
カレーの語源は、ソースを意味するタミル語のカリだといわれている。もともとはインド料理であるが、日本へは1859年(安政6)の開港以降イギリスから伝えられたとされている。国産のカレー粉は1923年(大正12)山崎峯次郎によりつくられ、発売された。
本場インドのカレーは粘り気がなく、また、ヨーロッパでは米飯は副えものであるのに対し、日本では米飯が主で、かけるソースもとろみがある(小麦粉=ビタミンB1が多い)という日本独特のものとして発達した。
薬味に福神漬けやラッキョウを副えるのも日本特有である。固形の即席カレーが1954年(昭和29)ヱスビー食品から初めて売り出されて以来、さまざまな味の即席カレーが各社から発売され、カレーライスは家庭料理だけでなく、レストランなどのメニューでも定番となっている。
カレーソースに用いる主材料によって、ビーフカレー、ポークカレー、チキンカレー、野菜カレーなどがある。関西と関東の食肉文化の違いから一般的にカレーといえば関西では牛肉を使用したビーフカレーが、関東では豚肉を使用したポークカレーが定番とされている
またカレーライスにカツをそえたカツカレーや、うどんにカレーソースをかけたカレーうどんといったものもある。
カレーライスが全国に広まることとなった経緯として「戦前、普段米を食べることが少ない農家出身の兵士たちに白米を食べさせることになった海軍だったが、当初カレーには英国式にパンを供していた。
しかし、これは概して不評だったため白米にカレーを載せたところ好評となり、調理が手早く出来て肉と野菜の両方がとれるバランスのよい食事としてカレーライスを兵員食に採用した。
その後、除隊した兵士がこのカレーライスを広めたため、全国に知られることになった」という説がある。日本の海軍は英国から習得したものだからである
ただし、陸軍が普及に貢献したとする説もある。いずれにせよ、日本においては軍隊がカレーの普及に大きな役割を果たしたとみられる。
日本以外の国のカレーライス
日本のカレーライスの原型となった料理は、世界中に文化的影響圏を広げたイギリスの食文化のため、現在は世界中の多くの地域で見られる食文化である。その国でカレーライスの食文化が定着した理由として、「イギリスの影響」「戦前の日本の影響」「戦後の日本の影響」。
イギリス
日本にカレーライスを伝えた国とされるイギリスには、見た目や味が日本のカレーライスと酷似した料理「curry and rice」が存在する。パブや学生食堂で安い値段で気軽に食べられる点でも日本でのカレーライスと共通する。
イギリスには多くのインド料理店が存在するが、それらの本格的なインド料理とは別物の大衆料理として親しまれている。
香港
イギリスの統治を長く受けていた香港では、茶餐廳と呼ばれる喫茶レストランにカレーライスを揃えている店が少なくない。日本のものと比べると、若干スープカレーに近い、さらっとしたものが多い。
ハワイ
明治初期から日本人移民の多かったハワイにおいてもカレーは日常食として普及しており、日本料理店のみならず大衆的なレストランや伝統的なハワイ料理を扱う店のメニューにもカレーライスの名前を見ることができる。
以前は日本人にとっては懐かしい昔ながらのライスカレーを供する店が大半であったが、近年はタイやベトナムなど東南アジア系移民の増加や、日本のチェーン店であるCoCo壱番屋の進出などによりさまざまなスタイルのカレーライスが食べられるようになってきた。
台湾
日本統治時代に日本人がカレーライス食べる習慣を持ち込んだとされている。そのため台湾では一般的なカレーライスをごく気軽に屋台や食堂などで昔から食べてきた。
「古典的なこれは薄口の黄色いスープに片栗粉などでとろみを付けており、日本の昭和24年頃から50年代にかけて食べられていた即席カレーの趣を残している。
近年では本格的な日本風のカレーライスを提供するレストランも増加しており、片栗粉でとろみを付けた「古典的な日式」は衰退している。
韓国
日本統治時代からの伝統として軍隊食などとして食されている。家庭で作ったり大衆食堂で出されるカレーは、台湾の場合と同じく薄口の黄色が強いカレーが多い。
キムパプ(酢を使わないご飯を用いた韓国風海苔巻き)にカレーをかけて食べるなど日本では考えられないようなアレンジも存在する。
中国
洋食のひとつとして、ホテルなどでカレーを食べることができたが、一般の中国人にはあまりなじみのない料理であった。
しかし最近は上海に日本資本のカレーショップも開店し、日本風のカレーライスの人気も出て来ている。中国語では「珈竰」もしくは「?哩」と表記される。 Microsoft(R) Encarta(R) 2006. (C) 1993-2005 Microsoft Corporation.All rights reserved.および「ウィキペディア」を参照。2007・06・12

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