741 漂着する中国ゴミにも毒素 宮崎正弘

北九州および東北地方日本海沿岸にはゴミが大量に漂着している。
ポリ容器、ペットボトル、缶、注射器。大量のゴミの多くが中国語、ハングル語の文字が書かれており、どこの国が「輸出」しているか明かである。日本近海まで廃棄物処理船などで運び海洋投棄している懼れが強い。
06年に国土校通用と農林水産省が合同で調査した結果、日本の海岸に漂着したゴミは二万六千噸に達していた事が分かった。
ゴミ処理費用は地方自治体が捻出しているが、ゴミ償却設備の貧弱な五島列島などでは、処理能力を超えているうえ、ダイオキシン対策など頭の痛い問題が浮上している。
とくに対馬、壱岐、後藤列島は余りの「外国製ゴミ」の処理に悲鳴を挙げて、国に対策を求めた。
ついに安倍政権のもとで「漂着ゴミ対策に関する関係省庁会議とりまとめ」を公表する仕儀となった。
四月に来日した温家宝首相にも、やんわりと「日中間の環境保全協力」を名目に改善を求め、共同声明には「海洋漂着ゴミの越境汚染を共同で防止する」という文言が挿入されているのだ。
温家宝訪日直前に中国で放送された「岩松看日本」という番組では日本の環境問題への真剣な取り組みなども特集されたが、取材班が最も驚いたのは千葉県我孫子市の住民総出の、徹底したゴミ処理で、十七種類にもゴミを分類し、住民が自主的に牛乳パックやプラスチック容器を分別回収している現場を目撃して驚きを禁じ得なかったという。
CCTV(中国中央テレビ)は、「日本に学ぼう」を呼びかけた程だったという。
中国は文明国から廃品(ゴミ)を大量に買っている。言ってみれば「世界のゴミ消費市場」であり、同時にゴミの輸出国でもある。
▼ 日本からマンホールの蓋を盗み出して。。。
日本でマンホールの蓋が盗まれ、気が付けば「鐵廃材」として中国へ輸出されていた。鋼材価格の上昇は産業廃棄物から金属やプラスチックを抽出するためで、或る統計では日本の産廃の九割が中国に流入しているという。
中国の業者は17トンのプラスチック廃棄物を10万円で買い入れる。輸送費、および通関諸費用に12万円。合計22万円の産廃「商品」は、中国で70万円で売りさばくことが可能だとういう。
06年統計では中国に輸出されたプラスチック廃棄物が110万トン。これは2000年と比較して四倍強。
鉄クズの輸出量も2.3倍増の278万トン、銅は3.7倍の39.2万トンに増加した。
中国は米国、韓国、イギリスなどからも家電、金属、プラスチックなど産業廃棄物を輸入し、再加工し、市場に出す。
日本国内ではリサイクル循環に「品物不足」情況が現出した。
05年推計で廃棄家電は2287万台。この半分しかリサイクルされておらず、回収から漏れた770万台強が中古商品として“かの国”へ輸出された。(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より)

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