745 ピョンチャンの涙 古沢襄

2014冬季オリンピックの誘致に敗れた韓国の表情を産経新聞の黒田勝弘ソウル支局長が外信コラムで伝えている。短い文章だが黒田氏は心底から韓国が好きだな、と思わせる記事。
大方の日本人は勝手な盧武鉉大統領に嫌悪感を抱くので、心の中で快哉を叫ぶ一方で、これで東京の夏季オリンピックに望みがでたと算盤をはじいたのだろう。しかし、算盤勘定は別として、同じアジアの隣国として韓国は残念だったな、と日本人が思える日が早くきてほしい。
それにしても誘致候補地の平昌(ピョンチャン)が、北の“ピョンヤン”を連想させたとか、盧武鉉大統領が出かけたのがまずかったというブラック・ユーモアは辛辣。事前にはピョンチャン確実と韓国マスコミは連日のように報道していただけに韓国市民の落胆ぶりは察してあまりある。
<【外信コラム】ソウルからヨボセヨ ピョンチャンの涙
2014年の冬季オリンピック開催地に立候補していた「ピョンチャン」が誘致に失敗した。前回に続き2度目の涙となった。失敗の原因について街の声は「北の“ピョンヤン”と間違われたのじゃないか」とか「大統領が出かけたのがまずかった」など勝手な冗談をいっているが、冬季スポーツはヨーロッパ主導だから、やはり韓国はヨーロッパからは遠かったということだろう。
「ピョンチャン」は漢字では「平昌」。韓国の東北地方である江原道に位置する。山が多く近年、夏はペンション、冬はスキーなど、リゾートとして開発が進んでいる。筆者は渓流釣りでよく出かけるが、韓国の田舎は自然が穏やかで人心がいい。とくに日本人となると親切で、不愉快な思いをしたことなど1度もない。マスコミや政治・外交の“反日”がウソみたいだ。
江原道気質を語る言葉に「岩下老仏」というのがある。実に味わい深い。首都圏の京畿道の取り澄ました「鏡中美人」や北の平安道の激しい「猛虎出林」などに比べると素朴で人間味がある。先週末の釣行の際、ピョンチャンの街には誘致祈願の出し物があふれていたが、今後、冬季スポーツをもっと盛んにし、街をきれいにして次回を期すればいいだろう。(黒田勝弘)>

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