747 モンスター・ペアレント 伊勢雅臣

学校関係者を中心に、「モンスター・ペアレント」という造語が広がっている。非常識な要求を持ち出して、学校や教育委員会を悩ませる「怪物のような親」という意味である。
その代表例は、お金がないわけではないのに給食費を払わないケースだが、さらにすごいのは、学校に対してこんなクレームをつける親だ。「なぜうちの子が集合写真の真ん中ではないのか」「子供がけがをして学校を休む間、けがをさせた子も休ませろ」「子供から取り上げた携帯代を日割りで払え」。
モンスター・ペアレントとは、結局、ゆとり教育や人権教育で、まともな規律や社会常識を教えられなかった子供達が、成人して親になった姿だろう。こういうモンスター・ペアレントの子供が、モンスター・チャイルドになる可能性が高いとしたら、その影響は数世代も続く。教育は国家百年の計と言うが、逆に誤った教育の影響は百年続くのである。
気の毒なのは、問題生徒や問題教師だけでなく、こんなモンスター・ペアレントにも対応しなければならなくなっている学校の管理者だ。
こうしたモンスター・ペアレントには、ゼロ・トレランス方式(絶対不寛容)で、非常識な要求は一切聞かないで突っぱねる、というのが原則だろう。
東京都港区教育委員会は、弁護士と契約して校長らの相談窓口を作った。また、モンスター・ペアレントから訴えられるケースを想定して、保険に入る教職員も増えている、という。
こうした動きを組織的に整備する必要がある。まずは、すべての学校と教職員には、訴えられた場合の保険を教育委員会としてかけておく。さらに各教育委員会にモンスター・ペアレントへの対応スペシャリストを置き、校長らの手に余るケースに対応させる、というのが、良いのではないか。名付けて「モンスター・ペアレント・バスターズ」。企業で総会屋対策をやってきた人がうってつけだろう。(「国際派日本人の情報ファイル」より)

コメント

  1. 黒田与作 より:

    困った時代に入ってきたものです。私が日本にこのような時代がくるということを私の師匠・・・・神門酔生氏に習ったのが25年ぐらい前になる。まさにこのことを指摘されていた。生きる意味や最低限度の道徳が身についていない教師・親が子供を育てているのが現状なんだ。これが大きくなってまた、教師や親になってゆくと・・・・そりゃあ、子供はまともなことは考えないという異常非常なことに日本中がなってくる。そんなときに、金、金、物、といっているバカどもが・・・・・集めた金はすべてこういう連中がふえてくるから狙われることになるのだ。わしのように、何ももたない。生まれたときもハダカ。死ぬときもハダカ・・・・・生きるという知恵をもっていればいいのだ。それも、どうにか食えればそれでいいのだという原点をおさえて、踏みとどまることが大切なのだと諭された。神門師匠は、40年間家から出ない。40年風呂にも入らぬ。食事は一日2回、顔も洗わないという美学者だった。

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