「中国はアフリカから資源を輸入するだけだ。不平等な関係に陥りかねない」。発言の主は南アフリカのムベキ大統領。昨年11月にアフリカ48カ国の首脳を北京に集め、多額の援助を約束した直後の批判だった。
中国はアフリカから資源を輸入し、工業製品を売りつけるだけで、工業の発展を阻害している、と指摘。かつての欧州諸国の植民地政策と変わらない、と警告した。
中国のアフリカ援助の先駆けとなったザンビアでは、一昨年に中国系工場で爆発事故が起こり、40人が死亡。中国系銅山では、昨年、労働条件の改善を求めて争議を起こした地元労働者6人が死亡する事件が起きた。これでは中国国内の工場と変わらない。昨秋のザンビアの大統領選では中国企業の排除を打ち出した野党候補が票を伸ばした。
昨年の対アフリカ輸出は前年比43%増の167億ドル。中国企業のアフリカ進出は800社に達した。中国企業は労働者を本国から送り込み、また中国製品を売り歩く中国人商人も現れた。ここ数年でアフリカに渡った中国人は百万人近いとされ、各地でチャイナタウンを形成している。
こんな中国流商法に、「第3世界の連帯」というかつての呼びかけもメッキがはがれてきた。(「国際派日本人の情報ファイル」より)
771 アフリカ諸国の中国批判 伊勢雅臣

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