787 段ボール肉まん報道は捏造 古沢襄

北京テレビが報じた段ボール肉まん報道は、やらせの捏造スクープだったという。空いた口がふさがらない。北京オリンピックを控えて中国のイメージを大きく損なった捏造報道には、中国政府も怒り心頭に発したであろう。
この捏造報道は米CNNや日本のテレビ、新聞でも大々的に取り上げられ、ニュースは世界を駈けめぐった。肉まん好きの私は、時折、横浜の南京街で売る肉まんを愛好していたが、イメージが重なるのでしばらくは食べる気がしないでいた。
日本のテレビでは、段ボール肉まんの実演をしたところもあった。首都・北京の代表的なテレビだから、信用するのが当たり前。毎日新聞の大塚卓也北京特派員が、その顛末を次のように伝えてきている。
<【北京・大塚卓也】北京市内の露店で使用済み段ボール紙と豚肉を混ぜた具を包んだ肉まんが販売されていたとされる問題で、これを「スクープ報道」した北京テレビは18日夜のニュース番組の中で、「やらせ報道」だったことを認め、「悪質であり、社会的影響を与えた」として視聴者に謝罪した。
中国食品の安全性が世界的に問題視される中、「段ボール肉まん」が販売されていたとの報道は、日本のメディアや米CNNなどで大きく伝えられ、懸念をさらに高めた。だが、中国の首都のテレビ局によるねつ造と分かったことで、中国マスコミのモラルも問われることになりそうだ。
同夜のニュースによると、調査の結果、テレビ局のアルバイトがひき肉と小麦粉、段ボール紙を自ら持ち込んだうえ、出稼ぎ労働者4人に「段ボール肉まん」を作るよう指示。自らビデオカメラで様子を撮影していたことがわかった。
北京テレビの“特ダネ報道”では、露店主は段ボール紙を劇物のカセイソーダ(水酸化ナトリウム)の溶液に浸し、さらに煮込んで柔らかくした上で豚肉と混ぜ、段ボール紙6、豚肉4の比率で肉まんの中身にしていた――という。
警察当局やテレビ局が調査を進めた結果、「やらせ」が判明した。警察はこのアルバイトの身柄を拘束し、関係者を厳重に処分すると約束した。>

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