人間は物質的に進化するが、精神的にはほとんど進化しないと思っている。モノや技術は時代に継承されても、精神はなかなか継承できない。年齢や経験、学習を積まないと一人前の人間にならない。学ばざればただのサルである。
産経のウェブサイトを見て驚いた。台風の雨の中、首都圏のサルがギョーレツしたという。一網打尽にして高崎山に移送したほうがいいんじゃないか。
以下、引用する。
<「I’m NOT A plastic bag(私は使い捨てのレジ袋じゃない)」と描かれたエコバッグがある。ただの買い物袋ではない。欧米のモデルやセレブなどが愛用し、ネットオークションでは定価の10倍以上の高値がつくほど希少価値が売りの“ファッションアイテムだ。
「エコはファッション」。それを象徴する出来事が14日、ファッションの聖地で起きた。
英国の女性デザイナーが手がけるバッグの人気ブランド「アニヤ・ハインドマーチ」の綿製エコバッグが14日、数量限定で先行販売されたが、東京・銀座の直営店には開店時間の午前11時前に4000~5000人の購入希望者が殺到し、店の周辺は一時騒然。警察が出動して交通整理をする騒ぎとなった。
ただ、都内の百貨店など3カ所で行われた14日の販売では、ブランド品が2100円で買えるという気軽さと数量限定の希少価値を求めて、購入希望者が殺到する騒ぎに。銀座の数寄屋橋交差点近くの路面店には前日深夜から客が集まり、始発電車が動き出す早朝4時半ごろには長蛇の行列ができた。
店側は午前7時30分に整理券650枚を配布。スタッフが「整理券がないと購入できません」と呼びかけたが、開店予定の11時前、人だかりは一層、膨れあがり、あまりの混雑ぶりに店側は販売をいったん断念。
「どうなっているの!」
手間取る店側の対応に、雨の中長時間待たされた客の不満は頂点に達した。興奮状態の中、店側は午後2時ごろ、一転して残っていた客に販売した。
レナウン経営企画室の伊東甲二(いとう・こうじ)広報担当部長は「予想を上回るお客さまに対応できなかった。甘かった」と、今回の事態にため息の表情。現場にはエコよりも欲望(エゴ)が渦巻いていた。>
人間は進化どころか加速度的に後退しているのではないか。山本夏彦翁は「この世のことは笑うしかない」と書いたから、小生も笑ってギョーレツに背を向ければいいのだが、日本再生に未練が残る小生は、ヤボを承知でぼやくしかない。サルでも一票は一票で、民主主義とは実にいやなものである。
803 銀座に集うサルの群 平井修一

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