853 北戴河会議で主要人事を決定へ 宮崎正弘

焦点はやはり曾慶紅のようである。
毎日新聞ははやばやと曾辞任説を流したが、北京筋はすぐに否定し、香港情報はこの後追い分析をしたところはなかった。
曾慶紅(国家副主席)は序列五位。 胡体制のバランスをとるキーパーソンだ。
昨日発売の香港誌『開放』(八月号)は、北戴河で開催中の首脳会議を伝えている。
2003年に胡錦濤は、恒例の北戴河会議を中止した。それまで中国共産党の最高幹部は、この避暑地に一堂につどって、事実上の「党大会」を開催し、ほとんどの方針から人事までを決めてきた。
秋の党大会なんて、所詮は飾り、シャンシャン大会である。
ことし一転、胡は8月2日から北戴河での会議を招集し、8月15日まで貳週間。表向き「夏休み」。実際は「事実上の決戦場」となって新人事をふくむ党の方針が固められる。
北戴河は、天津から近く党幹部らは北京から特別列車ではいるのが通例。
小生は秦皇島からタクシーで見物に行ったことがある。ゴミゴミした海水浴場で、海は汚く、とても静養できる所ではないという感想を抱いたが、きっと共産党幹部連中の美的感覚は違うのだろう。
そんなことより新たに政治局常務委員会に加わるのは誰か? 
李克強、李源潮らが最有力と見られているが、「太子党」人脈の巻き返しが激しく、胡率いる「共産党青年団」人脈は強い突き上げを食らっている、という。
とくに李克強は遼寧省書記就任以来、最悪の製鉄所事故に見舞われたが、その責任問題を浮上させているという。
李源潮に対しては江蘇省の食品加工、毒入り企業などの関連など、関係のないことまで持ち出せ荒れ、いかに上海派の恨みをかっているかが急浮上したという。
▼胡の示した妥協案は、まるで古色蒼然の歴史的遺物
香港誌『開放』は、妥協案として政治協商会議副主席に、胡徳平(胡耀邦の息子)、トウ僕方(トウ胡平の息子)、陳元(陳雲の息子)の三人を奉り、共青団の子飼いをなんとしても昇格させようと画策しているのに対し守旧派は「陳良宇を犠牲の山羊として、江沢民ら上海派を追い込んだ恨み激しく、温家宝一族の腐敗と汚職を突き上げている」と伝えている。
このほか劉延東、周永康、張高麗、李建国らの名前も挙がっている模様。闇の中で決まる人事、しかし透明人間でもなければ、内部の暗闘はのぞけまい。
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(読者の声1) 臨時国会の争点はまずテロ特措法延長で、10月までに延長しないと、海上自衛隊によるインド洋での対テロ警戒中の米軍への海上給油ができなくなります。
防衛省は、国内外でのプレゼンスが上がり、隊員の訓練になり、士気が維持され、米軍の「対テロ戦争」作戦本部に隊員を入れ込めるなど、延長のメリットはいろいろあるでしょう。
しかし、「この際、テロ特は“見切り千両”じゃないか」と唱える向きもあります。特措法を延長しないほうが日本の国益に適うというものです。
その論拠とは、
(1)洋上給油の対米協力は、もう5年以上続いていて、米軍の自衛隊への感謝の気持ちは実際には薄くなっている。
(2)ブッシュ政権は安倍政権の継続を希望しているにも拘わらず、「対北朝鮮外交」と「慰安婦問題」で安倍政権にダメージを与えてしまっている。
年末に期限を迎える在日米軍駐留経費負担特別協定(Host  Nation Support)の更新でイロをつければ、日米関係は維持されるだろう。
(3)テロ特措法延長をあきらめてしまえば、民主との争点がとりあえずひとつ消える。その上で、「小沢民主党は無責任だ」式の批判もできる。
(4)「テロ特延長」のために多くのものを犠牲にする必要はない。
駐日米大使のシーファーが慌てて民主の小沢に会おうとし、ここにきて「日本にしか果たせない重要な役割」であるとヨイショ発言しているのは噴飯ものです。
シーファーは日本人記者団との会見で「米国にいる日本の友人で、日本政府が河野談話から後退することを望む者は皆無だ」と、胡の傭兵談話見直しの動きを牽制しました。
新潟の拉致現場に行って、米政府がこれに大きな関心を持っているとの発言もありましたが、都度都度ご都合主義のパフォーマンスにいそしむ仁で信用が置けません。
こんな大使を日本に送り込み、対北交渉では同盟国の日本を無視して自国の我侭を通し、理不尽な慰安婦対日謝罪決議案の米下院議会での採択を放置した今のアメリカ政権の為に、日本の与党が敵失勝利でイノシシのように鼻息荒い民主党と揉めるなんて愚の骨頂です。(HN生、神奈川)(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より)

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