民主党に統治能力は無い。細川政権で実証済みだ。それなのに今度(23007・07・29)の参院選挙で国民は民主党に多数を与えた。私はこれを日本衰退の証拠と見る。
大体、国会議員に日本人はいない。日本を愛し、そのために命を投げ出せる国会議員は1人もいない。国民の上に立つ人なら咄嗟の時に自己を国民に捧げられる人の筈だが、今や1人もいない。
日教組は命を大切に、と教えるが、それは己の命であって他人の命ではない。そうやって教育されたのが65歳以下の日本人なのだからいまやまともなのは65歳以上の老人だけになった。まともな日本人は間もなく日本に1人もいなくなる。
だからある新聞社に頼まれて安倍改造内閣の自己流組閣予想をやってみて愕然とした。適任者として官房長官、外務大臣、防衛大臣、経済産業大臣の適任者が1人もいない。
1960年代から日本政界の取材をしてきたが、国会議員全員が大東亜戦争を体験していた。田中角栄、竹下登、宇野宗佑までは戦場を知っている総理大臣であった。敵に襲撃される恐怖からの生還者だった。
それだけに度胸というものを秘めていた。敵の弾丸がどの方面から飛んでくるかの洞察力が涵養されていた。危機に瀕して咄嗟の判断にも優れていた。組織の統率にも優れていた。
戦争の現場はそのまま政局である。命がけなのだ。しかし、そうした戦争体験者は今の政界には皆無になった。ただ2世だから、だらだらと政治らしき事をしていれば、なんとなく当選を繰り返す事ができる「ぬるま湯」。政治ではなく「政治らしきこと」である。
戦後の日本人の生き方は、万事、合理的で処理される事となった。なるほど対米戦争は物資(燃料、弾薬、艦船など)を比べれば米国には到底勝てるものでない事ははっきりしていた。
それでも退いても地獄、進んでも地獄なら進もうではないか、米国には無い撃ちてし止まんの「大和魂」と「神風」を信じて勝利に向かうのだと戦った。そういって我々を鼓舞する先頭に立ったのは朝日新聞だった。敗戦は当然だった。
だから戦後の日本人は合理的でさえあれば、すべては正当という価値観を持った。国家経営上、無駄のように見えたから、地方の時代などと言いながら地方を棄てた。
それは合理的のようで間違いだから地方が反逆した。しかしそれを煽った小沢氏の主張は新しいようでいて古い。すべては田中角栄のやった「大きな政府」のやれる事であって、国家財政はすぐに破綻する。実現性ゼロである。
日教組教育は「大和魂」を否定するのみならず、日本民族の培ってきた精神的拠り所のすべてを否定する教育を施した。加えて悪平等を教え込み、日本人の誇りのすべてを奪った。反日、自虐教育である。
そうやって育った世代は合理性を主張するあまり、自己擁護を主張するだけ、自己中心の親に育ち、モンスターペアレントとなって学校を脅す恐怖の親になった。
PTAの授業参観のため勤め先を休んだから、日当と交通費を出せ、うちの子の都合が悪いから運動会をずらせ、熱射病になるから野外運動はさせるな。江東区で実際に聞いた話である。
しかし、このところの自民党代議士会における津島派面々の発言を聞いていると、言っている事はモンスターペアレントの要求と変わるところがない。国民を政治的に指導できる人が払底しているのである。
要するに民主党の言っているように、財政の地方ばら撒きの田中角栄時代に戻せというのだから、日本改革をやめろといっているのである。つまり自民党代議士(衆院議員)も日教組の「作品」である事を天下に証明した。
日本は間違いなく「衰退」している。自民党も衰退し、或いは民主党を中心とする野党が政権を担う事態が来るかもしれない。しかし繰り返すが、今参院選挙に勝った民主党は昔の自民党に過ぎないから、たちまち失敗する。衰退→政権交代→混乱→更なる衰退が待っているだけだ。
更なる衰退の先にあるものは何だろうか。中国の属国であろう。それまで生きて居たくない。文中敬称略2007・08・07
863 日本は衰退している 渡部亮次郎

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