竹中平蔵氏が新しい政治の仕組みについて①参院の与野党逆転によって”官邸主導”から”政党主導”に変化する②この結果、政調会長が最重要ポストになる・・・と述べている。
官邸主導は与党が衆参両院で多数を持っていて初めて機能するものだから、参院で野党が多数となった現在、その役割が終わったことになる。経済財政諮問会議や首相補佐官制度も小泉内閣当時よりも後退せざるをえない。
与野党の政調会長は政策上のすり合わせをするうえで重要ポストになるが、同時に国会対策的な動きも求められるという。
私は与野党折衝の国対委員長が重要ポストになるとみていたが、竹中氏はそれを一歩進めて政調会長に国対委員長的な役割を求めた。これは政調会長と国対委員長が、よほど呼吸を合わせないと屋上屋を重ねることになりかねない。
百歩譲って与党が新しい政調会長像を描いても、民主党が旧態依然たる政調会長と国対委員長体制をとれば、機能せずに”片想い”になる恐れがある。方向としては竹中説に異論はないが、なお時間が必要だとみるべきであろう。
ところで具体的に竹中氏が描く政調会長の適役がいるのだろうか。思い浮かぶのは参院選敗北の責任をとって辞任する中川幹事長しか見当たらない。国対委員長、政調会長を無難につとめて安倍政権下の幹事長になった人である。安倍首相が右にウイングを広げようとしたのに対して左にウイングを広げる中川幹事長だったから、平沼赳夫氏の復党が暗礁に乗り上げている。安倍、中川の呼吸が合うだろうか。
理念としては新しい政調会長像は分かるのだが、具体的な適材がいるのか、となるとハタと戸惑う。安倍政権打倒に執念を燃やす小沢民主党代表は、竹中説を歯牙にもかけないであろう。
結局は政策は二の次、衆院と参院で押し合い、へし合いの力勝負に明け暮れる気がする。政党同士が疲れ果てるまで喧嘩をするのは勝手だが、付き合わされる国民にとっては”いい迷惑”と言わざるをえない。新しい政調会長像は、そのかなり先にぶら下がっている。
903 新しい政治の仕組み 古沢襄
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