907 北京パラリンピックのほうは 宮崎正弘

北京五輪終了直後の2008年九月、同じく北京では「パラリンピック」が開催される。九月6日から17日まで。参加予定は50ヶ国。選手と選手団合計4000人。
アーチェリー、サイクリング、サッカーなど20種目。ちなみに2004年アテネのパラリンピックで、中国は金メダル63個、銀46,銅32。
問題は大きく二つある。
第一は「施設」の建設が間に合うのか、どうか。
第二は中国人の身体障害者への差別意識が変わるか、どうか。
北京市内ではスポーツ施設ばかりか、公共建物から地下鉄に至るまで、エレベータ敷設、バリア・フリーの諸設備工事が始まっている。博物館から図書館、モール、大学、銀行。しかし交通インフラひとつとっても、車椅子で道路を横断したりできる箇所は極めて少ない。
「中国には8300万人の身体障害者がいると見積もられているが、社会的関心が低く、身障者への差別は露骨に存在している」(クリスチャン・サイエンス・モニター、8月21日付け)。
十五歳以下の身障者のうち、63%の児童しか学校へ通学せず、先進国との差異が目立つ。
 
とくに急がれているのはオリンピック関連施設と観光スポットのおける身障者対策、とくに車椅子対策である。
傾斜路、湾曲路、エレベータなどが六階以上の建物・施設には設置が義務付けられているが、北京でさえ、一部建物にのみ。
タクシーに車椅子乗車は、殆ど不可能である。北京五輪の付帯しての失態が続かなければいいが。。。。。 (「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より)

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