988 機能性胃腸障害 渡部亮次郎

<安倍首相胃腸障害で最低3~4日の入院必要…慶大病院
辞任表明した安倍晋三首相を検査した慶応大学病院(東京都新宿区)は13日午後、記者会見した。
主治医の日比紀文内科学教授は「首相は全身が衰弱している。体重も数カ月で約5キロ減った。機能性胃腸障害で、ひどくなると日常生活に支障をきたす」と説明し、「少なくとも3、4日の入院、安静加療が必要だ」と述べた。
首相は同日午前、同病院で検査を受けていた。首相は同日午後の自民党両院議員総会に出席したい意向を伝えたが、医師団が無理と判断したため、取りやめた。> (9月13日14時36分配信 毎日新聞)
「機能性胃腸症」は新しい言葉だ。
<胃の調子がなんとなく悪い状態が続くことはありませんか? ストレがあると悪化する感じもするのに、内視鏡で検査をしても「異常なし」。そんな時には機能性胃腸症の可能性があります。
消化器は、食物が食べることで活動を開始します。特に胃は、空腹時にはほとんど活動していません。胃の役割は消化と考えがちですが、1番の役割は食物を溜めておく事です。
2番目の役割が、溜めておいた食物を少しずつ、十二指腸に送り出すの事です。この当たり前の流れには、胃腸を動かす消化器の神経系と、それを調整する脳の自律神経系がちゃんと連携している必要があります。
機能性胃腸症は、この連携に問題が起こって発生します。ストレスがあると悪化するのは、この連携に悪影響があるからと考えられています。
胃の慢性炎症は、主にピロリ菌という菌が原因で起こり、その場合は内視鏡検査でも異常が認められます。これまでは「ピロリ菌が関与していない慢性胃炎」と呼ばれていた病気が、「機能性胃腸症」です。
この病名は、少し前の教科書には載っていませんし、いわゆる保険病名にもまだありません。
今までは正式な病名がなかったので、うやむやになっていましたが、この病気にかかっている人は非常に多いのです。推定では4人に1人が経験していると言われています。
機能性胃腸症は診断が自覚症状に基づくので予防方法・治療方法の効果の判定が難しい。そのために機能性胃腸症の予防と治療については、統一した見解がまだありません。
まずはストレスが少ない生活を送る事が、機能性胃腸症の予防につながります。生活の中で何をストレスと感じるかは個人差が大きいところですが、なるべくストレスをためないように、上手に生活しましょう。>「家庭の医学」ガイド:西園寺 克
辞意表明後、都内の慶応義塾大学医学部付属病院に入院した安倍首相は「機能性胃腸症」と診断され、3-4日間の入院治療を余儀なくされた。
若い頃から胃腸が弱いといわれていたが、これが政治生命を左右する爆弾だったとは、周辺の「お友達」も軽く考えていたのではないか。
江戸中期の儒学者,政治家、新井白石も安倍さんと同じような病気に終生悩まされたという。瀉(しゃ)といったらしい慢性下痢。
彼の政治論はあまり理想にすぎ,彼の性格は圭角多く他人と妥協するところがなかったので,しだいに間部椿房とともに孤立の状態となり,1716年(享保1)吉宗が将軍となると政治上の地位を失い,晩年は不遇の中に著述にはげんだ、というから瀉(しゃ)が原因になったのでは無いか。
その代表作というべき自叙伝《折たく柴の記》は、また同時代の幕政その他についての貴重な史料でもある。1725年5月19日死去、墓は浅草の報恩寺にあったが,現在は中野区上高田の高徳寺に移されている。(平凡社「世界大百科事典」)
ごく側近の述懐するところ、安倍さんの機能性胃腸症は腸が普通より短い事によるそうだ。腸が短ければ吸収が悪いだろうし、食べられる物も限られてくるから、食べ物でスタミナをつけにくい。
首相は8月後半のアジア歴訪ごろから胃腸の調子が悪くなり、公邸で日常的に医師の診察や点滴を受けていたことが明らかになっている。このところ5Kgも痩せた。粥と点滴で生きていたのだから当然である。
上記の解説にあるとおりストレスが一番悪影響するというのだから、気の毒だが安倍さんがやってはいけない職業が総理大臣だった、と言えない事は無い。ご苦労さん、速やかな回復を祈ります。2007・09・13

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