1107 ヒル独走にシーファー大使が苦言 古沢襄

米国のFOXテレビによると、シーファー米駐日大使からブッシュ大統領に送られた電報で、北朝鮮に対して米政府がテロ支援国家指定解除を約束していたとしたら「太平洋における最も親密な同盟国・日本を裏切ることになる」と苦言を呈した。
指定解除に向けて急ぐヒル国務次官補に対して強烈な不満を表明したことになる。訪米した佐々江外務省アジア大洋州局長にヒル次官補は既定方針通り「指定国をリストから外そうとするのは、いつも目指していることだ」と述べている。
ヒル独走に対してチェイニー副大統領も批判的だが、ブッシュ大統領とは永年の友人で個人的な繋がりが深いシーファー大使の苦言だけに困惑しているのではないか。
折から米シンクタンク、科学・国際安全保障研究所(ISIS)は24日、イスラエル軍機が9月6日に空爆したシリアの施設の衛星写真をホームページに公開した。北朝鮮・寧辺の5000キロワット黒鉛減速炉の衛星写真も併せて載せ、大きさや形が似ていると指摘している。
この施設の写真は空爆前の8月10日に撮影された。ISISによると、施設はユーフラテス川沿いにあり大きさは約47メートル四方。空爆の時点で、まだ建設中だった。一方、寧辺の減速炉は大きさ48×50メートルという。(時事通信)
空爆によって北朝鮮技術者が爆死したとも伝えれる中で、真相が解明されないまま北朝鮮のテロ支援国家指定を解除してしまうのは、拉致問題の解決をかかえた日本にとっても大きな打撃となる。
佐々江外務省アジア大洋州局長の訪米は、近く訪米が予定される福田首相の露払いとみてよいが、日米首脳会談でブッシュ大統領から米国はテロ支援国家指定解除に踏み切ると通告されるくらいなら首相訪米を延期か中止した方がいい。
おめおめとテロ支援国家指定解除を呑まされたら、福田内閣の支持率は急低下するであろう。低姿勢内閣どころか、屈辱的な対米弱腰外交の批判を浴びて、内閣総辞職に追い込まれる。
いくら勝手気ままな米国でも同盟国・日本を裏切ることはすまい。ヒル独走にブレーキをかけるのではないか。それを期待したい。

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