米国のCNNによればイスラエル機空軍機が越境空爆したシリアの軍事施設が、ブルドーザー、トラクターなどによって、完全に消滅し整地が行われたという。北朝鮮の援助によって建設したといわれる核関連施設の証拠隠滅を図ったという観測がでている。
<ワシントン――イスラエル軍機が今年9月6日、シリア東部にある「戦略施設」を空爆した問題で米民間機関「科学国際安全保障研究所」(ISIS)は25日、現場跡の建物が消滅していると発表した。国際原子力機関(IAEA)は核関連施設につながる証拠の分析を開始しており、シリア側の証拠隠滅の行動とも受け止められている。
AP通信によると、ISISが新たに入手した商業衛星画像で判明した。画像は現場跡でブルドーザー、トラクターの存在をとらえ、整地の跡も確認された。
また、問題の施設と水供給施設との間に付設された埋設のパイプライン用の溝も見付かったという。空爆前の衛星写真では建物が映っていた。施設が消滅したことについては、空爆被害で内部の収容物が偵察機、衛星監視で判明することを恐れ、素早く作業した可能性があるともしている。
現場は、イラク国境から100キロ以上離れた砂漠地帯。過去の衛星分析から建物は建設開始後、少なくとも1年たっているとみられる。
同施設をめぐっては北朝鮮が協力した核施設との見方が浮上している。シリアは国内の核関連施設の存在を否定、空爆については軍が使っていない建物が標的だったと述べている。北朝鮮も核協力を打ち消している。ただ、欧米メディアはイスラエルの情報などを引用、核施設説を報じている。
米紙ワシントン・ポストは最近、米政府高官の情報として施設は小規模だが北朝鮮の原子炉と似た特徴を持っているとも伝えていた。
一方、イスラエル政府は空爆について沈黙してきたが10月初旬、初めて事実を確認、シリア内部にある軍事上の標的を攻撃したと発表していた。空爆は、シリア軍が9月6日、イスラエル軍機が5日夜から6日朝にかけシリア領空に侵犯、対空砲火で撃退したと発表したことで明るみに出ていた。
外交筋によると、空爆後、IAEA関係者がウィーン駐在のシリア外交官と接触したが、同国の核計画の存在を示す情報などは伝えられなかった。シリアは核不拡散条約(NPT)に調印し、これまで同国内に唯一ある出力27キロワットの原子炉の査察をIAEAに認めたことがあるという。(CNN)>
1121 シリア核施設?が消滅 古沢襄

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