中国の上海ブログで杜父魚ブログの「中国・台湾茶にはまり込む」が紹介されている。インターネット情報が国境を越えて広がっているとあらためて思う。上海ブログでは、これを”茶縁”(お茶がとりもつ縁)と言っている。いい言葉ではないか。
私の記事を「ぜひともご覧下さいませ。こういったところから広がる茶縁。ありがたい限りです。今後もおいしいお茶を提供できるよう頑張って参ります。また、お客様のお気に入りの中国茶を探すお手伝いできるよう努力して参ります」と言ってくれた。
これを書いたのは上海の中国茶ブティック『TEAsia』(ティージア)で店長をしている上海小町さん。京都の大学を出た日本女性である。上海歴六年目になったという。中国認定の茶芸師の資格もとっている。
http://plaza.rakuten.co.jp/shanghaikomachi/diary/200710290000/
中国茶・台湾茶は千差万別。だが上海小町さんが送ってくれる中国茶・台湾茶は信用が置ける。茶芸師として研究熱心だから、中国各地を回り新しい品種を見つけてくる。今回は福建省の烏龍茶作りを見学して、「本山」という新茶を発見して送ってくれた。
茶農家の人は「こんなにおいしい本山は初めて作った。三斤(1500グラム)しか出来なかった」と言って、少しだけ分けてくれたそうだ。銘茶「鉄観音」の産地と同じそうだが、独特の甘い花の香りがする。
勉強家の上海小町さんの講釈。
青茶(烏龍茶)といえば、日本の方が想像する中国茶の第一にあげられるものでしょう。現在は烏龍茶は青茶の俗称ですが、由来はその品種のひとつに烏龍種というのがあったことです。いつの間にかその品種が青茶の名称として定着しました。
その他の品種といえば日本の方に親しみがあるのは、鉄観音や凍頂烏龍茶ではないでしょうか。鉄観音は福建の南、「ミン(門がまえに虫)南」烏龍茶の代表です。
凍頂は同じく「台湾」です。その他、福建の北、「ミン北」には大紅袍で有名な武夷岩茶とも呼ばれる数多くの烏龍茶があります。福建には「単ソウ(木へんに叢)」と呼ばれる花や果物の芳香豊かな烏龍茶があります。
数多くある烏龍茶ですが、現在その6割近くが「ミン南」で作られております。鉄観音が有名な地域です。ここは温暖なため、1年4回、品種によっては5回のお茶作りがされておりますが、高級茶となりえるのは春に摘まれるお茶(春茶)と秋に摘まれるお茶(秋茶)です。また、その季節のお茶でも2割程度しか高値がつきません。
今回、ソムリエ講習に参加する前に福建へ行きましたが、烏龍茶作りとは本当に手間のかかる仕事で、これだけその地域の方がお茶作りをしても龍井茶農家のように「お茶御殿」を建てるほど儲からないそうです
中国の食品というと、日本では”食の安全性”に懸念をもって敬遠される傾向があるが、ちゃんとしたお店を選べば、良いものが手に入る。それは日本の食品も同じではないか。
1129 上海小町さんの”茶縁” 古沢襄

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