<福田康夫首相(自民党総裁)と民主党の小沢一郎代表は2日午後、国会内で2度目の党首会談を行った。首相は民主党との連立政権樹立に向け協議することを提案。小沢氏は回答を保留したが、民主党は役員会で拒否する方針を確認した。衆参両院の第1党が異なる「ねじれ国会」は第1党と第2党による「大連立」案が浮上する事態に発展。今後の政局は一層波乱含みで展開しそうだ。
会談に同席した自民党の伊吹文明幹事長から報告を受けた公明党の北側一雄幹事長によると、小沢氏は会談で国際的な平和活動のために自衛隊海外派遣を随時可能にする「恒久法」の必要性を強調。恒久法の中身について民主党の主張を取り入れて検討するなら、インド洋での海上自衛隊による給油活動を再開するための新テロ対策特別措置法案の成立に協力する考えを示したという。
首相の連立協議要請に関し、北側氏は「首相の判断なので尊重しないといけない。民主党がどう判断するかだ」と述べ、今後の推移を見守る考えを示した。(共同)>
表面的は福田首相が大連立を小沢代表に提案して、小沢氏が持ち帰った民主党が役員会で蹴飛ばしたかにみえる。明日の新聞では見出しの取り方は「民主、連立の首相提案拒否」といったところか?
だが党首会談で条件付きながら小沢氏は、新テロ対策特別措置法案の成立に協力する考えを示した。この方が大きなニュースではないか。福田首相は、このお土産を持って訪米し、ブッシュ大統領との日米首脳会談に臨むことが出来た。
この方が福田首相にとっては大きな収穫だったのではないか。小沢氏が年来の主張である国際的な平和活動のために自衛隊海外派遣を随時可能にする「恒久法」とセットになるから両党間の協議が必要になる。場合によっては通常国会まで持ち越すことになるかもしれない。だが両党間に歩み寄りがみえたと、米国はじめ関係国に説明が出来る。
大連立は次の総選挙後の課題であろう。民主党が総選挙で勝てば、大連立の必要はなくなる。自民党が勝てば、衆参の”ねじれ”が続くから、再び大連立が検討課題になるであろう。そうみると今回の党首会談の落としどころは、新テロ対策特別措置法案の扱いだったのかもしれない。
福田、小沢という口が固い役者が演じた党首会談だから、回りの者は振り回された観があるが、小沢氏の「恒久法」も首相の「新テロ対策特別措置法案」も国会審議というガラス張りの中で議論することになる。場合によっては修正協議も必要になろう。密室の党首会談といわれたが、その内容はいずれオープンになる。
1145 本筋は新テロ対策特別措置法案か 古沢襄

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