1164 久しぶりに仙谷由人氏が登場 古沢襄

久しぶりに仙谷由人氏の発言を聞いた。民主党本部で始まった両院議員懇談会で「小沢代表と議員団とのコミュニケーションが表層的になっているのではないか」と切り出した仙谷氏は、岡田元代表や前原前代表の応援団長。
東大法学部の在学中に司法試験に合格した弁護士。社会党公認で旧徳島全県区から当選したが、社会党を離党して民主党の結党に参加している。自由党からきた小沢氏とは一線を画してきた、小沢手法に対する批判者である。
小沢神話によりすがる民主党内に苛立ちを隠さない。仙谷氏は場外ではもっと厳しい小沢批判をしているが、両院議員懇談会ではかなり押さえた物言いになった。それでも小沢・菅・鳩山トリオの党幹部が退陣して、若い岡田氏を再登場させて民主党が再挑戦する期待を滲ませた。
旧民主党の流れをくむ若手議員と自由党系の議員の間には路線上の対立があるが、参院選を勝利に導いた小沢代表の前では表面化することがなかった。それが小沢氏の突然の辞意表明、さらには辞意撤回となって不満が噴き出した観がある。
一応は迫りくる解散・総選挙を目前にして小沢留任の手打ちとなったが、混乱をみせた民主党にとって衆院選で自民党に勝つハードルは高いといわねばならぬ。うまく転がりそうだった他の野党との選挙協力も、大連立騒ぎで揺らいでいるので、早急に再構築する必要がある。
総選挙で民主党は議席を増やすとは思うが、過半数をとるのは難しいと思われる。選挙後に新たな路線論争が本格化しそうな雲行きである。その時に小沢氏は、どういう行動にでるのであろうか。第三の極となる小沢新党の樹立は消えていない。
自民党と民主党の間にあって小沢新党がキャッシング・ボードを握る可能性すらある。雨降って地面が固まるどころか、新たな政界再編成に向けて大きな動乱の時代に入る気配すら感じられる。第二幕が開くのは近いのではなかろうか。

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