自民党の古賀誠選挙対策委員長の地方行脚が続いているが、年内解散・一月総選挙の可能性が薄れてきた印象を持つ。秋田での記者会見では来年の北海道洞爺湖サミット後の総選挙どころか、再来年の任期満了選挙まで匂わせて煙にまいた。
ここにきて福田内閣の支持率も低下している。選挙をやれば、いずれにしても与党が三分の二議席を失うのは避けられない。与党の公明党は年内解散・一月総選挙には反対している。あえてリスクをおかす必要がないという方向にあるのではないか。
額賀財務相の接待疑惑、口きき疑惑がテレビや新聞で連日のように話題となっている。解散権は首相の専権事項だが、安全運転型の福田首相ならやり過ごして、しばらくは様子をみるだろうという観測が与党内に高まっている。
責任者の古賀誠選挙対策委員長は秋田で県連幹部に対して、懸案となった秋田二区の候補者調整について「年内は難しいかもしれないが、(全国の空白区は)年内に埋める目標を立てているので(秋田二区も)何とか決めたい」と本音を洩らしている。
小沢民主党代表の金城湯池である岩手の四選挙区も自民党にとっては岩手二区を除けば苦しい選挙になる。前岩手県知事の増田総務相を帯同して盛岡入りした伊吹幹事長は、岩手一区に増田氏を擁立したい意向だが、当の増田氏は消極的である。
全国的にみて自民党の候補者選定は、まだ固まっていない。やはり予算が成立して、予算関連法案で与野党が激突する来年春を勝負どころと古賀誠選挙対策委員長は見ているのではないか。
<自民党の古賀誠選挙対策委員長が19日、秋田市の党県連事務所を訪れ、次期衆院選への対応について津谷永光県連会長ら役員と協議した。古賀氏は取材に対し、党公認候補が不在となっている秋田2区の候補者調整について「年内は難しいかもしれないが、年内に(空白区は)全部埋めることを目標にしている。何とか決めたいと思う」と述べた。
古賀氏は、県連との協議内容について「参院選の二の舞いにならないような衆院選の戦い方について意見交換した。秋田は候補者調整(の必要性)が若干あり、これから互いに信頼関係を築いていこうと伝えた」と述べた。
一方、県連は古賀氏に対し、県内各選挙区の地域事情などを説明。秋田2区への候補者擁立に当たり、郵政民営化関連法案に反対するなどして同党を除名処分となった野呂田芳成衆院議員(無所属)と党本部が意思疎通を図ってほしいと要請した。鈴木洋一県連幹事長は「公認ではないものの野呂田氏の影響は大きく、本人の意向を無視して選挙を戦うのは厳しい」と理解を求めたという。(秋田魁新報)
自民党の古賀誠選対委員長は18日、盛岡市であった党の会合であいさつし、次期衆院選の重複立候補をめぐり、小選挙区で民主党の小沢一郎代表(衆院岩手4区)など野党幹部と対決する候補者でも比例ブロックの名簿上位で優遇すべきではないとの考えを示した。
古賀氏は「相手が強いから当選圏内を与える手法が一つの知恵で行われてきたが、党勢を拡大するうえでプラスになるのか、よく考える必要がある。最初から担保するのは、戦わずして一歩引いている」と述べた。 (毎日新聞)
1216 遠のく一月総選挙 古沢襄

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