国会で額賀財務相の「宴席」問題で大騒ぎしてくれているかぎり、東京地検特捜部の本筋捜査がはかどると妙な評価をする人がいる。特捜部は逮捕した宮崎容疑者と守屋武昌前防衛事務次官との贈収賄疑惑の一点に絞って証拠固めに全力を傾けている。
額賀財務相が宴席にいようが、いまいが関係ない。民主党は宴席にいたと称する出席メンバーから、「額賀さんが出席されたとの証言を得ている」と額賀財務相を追及しているが、その出席メンバーが明らかにされていない。
出席メンバーがいるなら記者会見で額賀財務相との食い違いを明らかにすべきであろう。両者の記憶が食い違えば、どちらが正しいか証拠が必要になる。一番、手っとり早いのは東京・人形町の料亭の女将の証言ではないか。
しかし元米国防総省日本部長のジェームズ・アワー氏との宴席に出ていたとしても、それ自体が防衛利権をめぐる密室会合だと断じるのは無理がある。もし利権をめぐる密室会合だったとすれば、その出席メンバーも同罪の疑惑が浮上するからだ。
どうみても疝気筋だから特捜部もこの問題には深入りせずにいる。額賀財務相は、この時間帯に元防衛施設庁長官を講師に招いた勉強会に出ていたと述べた。この勉強会には、防衛産業と防衛族議員を結ぶパイプ役とされる社団法人「日米平和・文化交流協会」の秋山直紀理事も出ていたという。
二人の額賀財務相がいたのであろうか。
民主党は何としてでも額賀財務相の問責決議で点数をあげることに懸命となっている。疝気筋だろうとなかろうと関係ない。その分、特捜部の本筋捜査が証拠隠滅などで妨害されずに済んでいるという見方は当たっているのかもしれない。そうなると額賀財務相は捜査に貢献しているという皮肉な見方も生まれている。
1221 額賀財務相は特捜部に貢献? 古沢襄

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