一億五千万人の中国人投資家が平均22%の損害をだしていた。上海株式の狂乱は、明確に終わりを告げたが、大暴落はすこし先だろう
過去一年ほど、筆者は「中国株は十月まで」と自信をもって言い続けてきた。
理由は中国の株式市場では国有企業の株式を売買するのが90%であり、しかもインサイダーによって相場が操作されており、不透明な情報が多すぎるが、第十七回党大会までは、たとえPKO(価格維持作戦)を展開しても、株価暴落はありえまい、と政治的視点から分析したまで。
党大会がおわり、新執行部が出そろった。直後から劇的な下落が始まった。ピークは11月5日である。
ペトロチャイナが上海に新規株式公開をはたし、史上空前の87億ドルをかき集め、翌日にはアリババも公開、これで中国株式は絶頂を売った。株価は「大調整」なる言葉の下落を始めた。
ペトロチャイナの株価は上海市場への上場から二週間後に33%下落した。
「多くのディトレーダーという市場新参者を中心に若い世代のあいだには株への失望が拡がった。一億五千万人の中国人投資家が平均22%の損害をだしていた」(TIME、12月3日号)。
シティ、メリル、バンカメなど錚々たる世界の一流銀行がサブプライムに躓き、米国景気は不況入りするだろう。
米国が風邪を引けば日本は肺炎になった。いま肺炎の重症に罹る筆頭は中国であろう。(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より)
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