1243 判断ミスをおかした民主党　古沢襄

民主党はとんでもない判断ミスをおかしてしまった。国民はいずれ真相が分かる。支持率の急低下は避けられそうもない。参院財政金融委員会で、額賀財務相と守屋前防衛事務次官の証人喚問を野党単独で決めてしまったのは、いささか先走りに過ぎた。
証人喚問を見送れば、第二の永田メール事件と騒がれる。無理を承知で証人喚問に突っ走れば世論の指弾を浴びる。自ら窮地に立つ選択をしてしまった。無謀なやり方を主導した山岡国対委員長の責任は免れそうもない。裏で糸をひいた小沢代表も要の軽重が問われかねない。
このところ小沢代表のやることは蹉跌が多すぎる。この代表の下で選挙を戦えるかという疑問が民主党内から起こるであろう。岡田元代表の再登板で新たな出発をするしかないように思える。選挙に強いという小沢神話は地に墜ちた。
党利党略で額賀喚問にこだわったのが間違いのもととなった。参院選の勝利が、こういう形ではね返ってくるとは思ってもみなかったであろう。勝って兜の緒をしめ、地道に政策を実現していって政権獲得への道を確実にするべきであった。勝利に浮かれて行け行けドンドンで踊り狂ったとしか言いようがない。
その点では岡田元代表の方が堅実である。民主党内には若手・中堅に有望な議員が数多くいる。その衆望を担う軍師・仙谷由人議員は、小沢手法に批判を繰り返している。民主党の生え抜きである仙谷氏にしてみれば、小沢氏や山岡氏ら自由党系の強引な手法には違和感がある。さきがけ系の鳩山幹事長、菅代表代行が小沢氏に唯々諾々として追従している不満もある。
岡田待望論がジワリと民主党内に広がりをみせている。民主党が解散・総選挙で躍起となるよりも、党を刷新して若い力で自民党に対抗する方が政権獲得の近道になるのではないか。今のままで総選挙を迎えても民主党が過半数の議席を占める望みはない。党利党略で暴れ回るよりも、今はジックリと政権を担うに足る実力を養うのが先決ではないか。