民主党は完全に思考停止状態に陥った。守屋容疑者の逮捕という事態をうけて参院財政金融委員会の理事懇談会で来月三日の証人喚問問題を協議したが、額賀財務相だけの喚問を実施するとこだわって物別れに終わっている。
さすがに野党の中で民主党に対する批判が出始めた。国民新党の亀井代表代行は証人喚問は全会一致と自重を求め、共産党の穀田国対委員長も全会一致でない参院財政金融委員会の採決で賛成したのは間違っていたと記者会見で率直に認めている。
穀田氏の主張ははっきりしている。四野党国会対策委員長会談で次のように主張していた。まさに筋が通っている。
①守屋、額賀両氏の証人喚問を求めることは、当然で賛成だ。ただ、額賀氏の宴席に出席問題だけにとどまらず、日米軍事利権全体の究明のために、守屋、額賀両氏と秋山直紀氏(日米平和・文化交流協会理事)の証人喚問を要求する。
②証人喚問は、全会一致での議決を努力すべきだ。
③喚問のやり方も、まず守屋氏の再喚問を行い、その証言を受けて、「どうしても額賀氏の喚問が必要だ」という二段構えの手順を踏むことも必要ではないか。
民主党の迷走に国民新党も共産党も困惑している。民主党は振り上げた拳(こぶし)を下ろす知恵も出ないらしい。党内には水戸黄門様という国会対策の知恵者がいるではないか。恥をしのんで一度、お知恵拝借と頭を下げて教えを乞えばいい。
<参院財政金融委員会は29日午前の理事懇談会で、山田洋行元専務の宮崎容疑者との宴席に同席したと指摘される額賀財務相と、前防衛事務次官の守屋容疑者の証人喚問問題をめぐり協議、野党側は12月3日に額賀氏だけの喚問を予定通り実施する意向を表明した。これに対し与党側は野党単独での議決に重ねて抗議し、喚問の取りやめを求めたが、野党は「委員会で既に議決したことだ」として拒否、折り合えなかった。(共同)>
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