マスコミも一斉に証人喚問を全会一致で行う慣例を破ろうとしている民主党に批判の矢を向けている。宴会に出たか、出ないかという下らない問題で証人喚問を強行する考え自体が土台からおかしい。
悪しき前例を残すと、多数党が少数党の幹部を証人喚問に引きずり出して”つるし上げ”をする口実を与える。与党の反発に加えて、野党の中にも共産党や国民新党から反対の声があがり、四野党共闘の足並みも乱れをみせている。
さすがに衆院の民主党内からも、喚問見送り論が広まりつつある。だが参院民主党の幹部たちは、関東軍よろしく強行突破の望みを捨てない。初めて手にした第一党のカードが嬉しくて堪らない様子。そこに問答無用の危険な体質が滲み出ている。
事態を懸念した国民新党の亀井静香代表代行は、鳩山幹事長と会談し「多数決による議決は望ましくない」と自重を求めた。強行突破論だった小沢代表は、鳩山幹事長の連絡を受けて「幹事長に一任」。
このドタバタ劇をどう納めるのか。江田参院議長に裁定して貰う案もでているという。
<共産党は29日、参院財政金融委員会が額賀財務相と前防衛次官の守屋武昌容疑者の証人喚問を民主、共産両党の賛成で議決したことについて、「賛成したのは間違いで棄権すべきだった」とする見解を発表した。
同党が国会の議決を巡る態度を撤回するのは極めて異例だ。与党の反発に加え、野党の足並みも乱れたことで、民主党内でも喚問見送り論が広まりつつある。
共産党の穀田恵二国会対策委員長は29日、国会内で臨時の記者会見を開き、額賀氏らの喚問議決について、「全会一致で決めるべきだった。私が(判断を)間違い、(志位委員長ら)指導部からの指摘を受けた」と撤回の理由を説明した。
同党は多数決での採決などには基本的に慎重なことが背景にあると見られる。
穀田氏は、12月3日に予定される証人喚問の実施について、再検討するよう各党に働きかける考えも示した。
国民新党の亀井静香代表代行も29日、鳩山民主党幹事長と会談し、「多数決による議決は望ましくない」との考えを伝えた。
これに対し、民主党の輿石東参院議員会長は29日の記者会見で、「(証人喚問実施の方針に)変わりはない。全会一致が望ましいが、どうしても必要なら、多数決でもやむを得ない」と述べるなど、喚問実施になお意欲を示した。
参院財金委は30日の理事懇談会で改めて協議するが、野党共闘を重視する立場から、民主党内でも喚問実施への慎重論が出ている。
菅代表代行は29日の記者会見で、「野党共闘があって初めて参院の過半数が維持されている。他の野党の意見を十分に聞きながら対応していくことが必要だ」と指摘した。鳩山幹事長は小沢代表に、「参院の判断を尊重するが、一歩引いて考えたい。12月3日の喚問は延期になるかもしれない」と伝えた。
一方、自民党は29日、額賀氏が出席したと守屋容疑者が証言した宴席について、2人を除く出席者6人全員から、「額賀氏は同席していなかった」との証言が得られたと発表した。
同日の参院財金委理事懇では、証人喚問の中止と22日の同委で額賀氏の宴席同席問題を取り上げた民主党の辻泰弘氏らの参考人招致も求めた。(読売新聞)>
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