1249 民主が断念、これは事件だ 渡部亮次郎

猪突猛進の民主党・突貫小僧、額賀氏の証人喚問をやはり断念。「言わないこっちゃない」になってしまった。民主党としては大変なイメージ・ダウンだが、おそらく党内での責任追及はなし。うやむやにするだろう。
<自民、民主、公明3党の参院議員会長は30日午後、江田五月参院議長立ち会いの下で国会内で会談、参院財政金融委員会で野党が単独議決した額賀福志郎財務相らの証人喚問について、来月3日の実施を見送ることで合意した。
これに先立ち江田議長は、自民党などの中止要請を受けてあっせんに乗り出し、与党と民主党の双方に再協議を指示。民主党内でも「わが党出身の議長だから再考しないわけにはいかない」(参院幹部)と消極論が広がり、執行部も喚問見送りを受け入れた。
自民党の山崎正昭、公明党の木庭健太郎両参院幹事長らは30日午前、江田氏と国会内で会談し「(証人喚問の議決は)全会一致という歴史を破る暴挙で認められない。議長として何らかの対応をしてほしい」と喚問を中止するようあっせんを要請。江田氏は「民主党からも話を聞きたい」と述べた。
一方、共産党の小池晃参院幹事長も江田氏と会い「証人喚問は全会一致で行うべきだ。議長として指導力を発揮してほしい」と求めた。>2007/11/30 14:39【共同通信】
ほぼ2年前、2006年2月16日の衆議院予算委員会では民主党の永田寿康議員が、証券取引法違反で起訴されたライブドア元社長の堀江貴文被告が、2005年8月26日付の社内電子メールで、自らの衆院選出馬に関して、「武部勤自民党幹事長の次男に対し、コンサルタント費用として3000万円の振込みを指示した」などと指摘。
しかし結局は、このメールが嘘と分かったため永田議員ばかりか3月31日、前原誠司が民主党代表を辞任を表明。辞任理由は「永田寿康を議員辞職させられなかったから」と説明した。先立って野田佳彦民主党国対委員長も責任を取り国対委員長を辞任している。
これを受け、議員辞職を否定した永田もライブドア送金指示メール騒動の責任を取り、議員辞職した(その結果を受けてNHK出身の池田元久が繰り上げ当選となった)。これを受けて、懲罰動議審議が途中で打ち切りとなり、仲介者の証人喚問も中止となった。
民主党はこの騒動により支持率を低下させる結果となり、与党を追及するはずだった多数の問題を後回しせざるを得ない状況になってしまった。
また前原辞任に伴い、同じく民主党の小沢一郎と菅直人が4月7日に党所属国会議員の投票を行い、小沢が菅を破り新代表として挙党態勢を固めた。(この項「ウィキペヂア」参照)。
嘗て自民党の実力者(と自分で命名)河野一郎は競馬の馬主らしく、出来のよくない記者を捕まえて「馬でいえば調教不足」とからかったものだが、民主党も参院で権力を逆転したとはいえ、馬で言えば中央競馬にはまだ達してない、との馬脚を顕した。
ブログで鋭く政局を斬っている大先輩の記者は「民主党の中にある小沢自由党系の問答無用の強権的体質、片や社会主義者の権力主義的傾向に読者が危険なものを感じているのではないか」とむしろ民主党の体質を憂いている。
「そこには安倍政権が内包していた右翼的体質に対する嫌悪感と同質なものがある。
それなのに朝日新聞だけは、参院民主党に対する批判が甘い。安倍政権に厳しくて、参院民主党の暴走に甘い朝日という新聞は、民主主義の本質が理解できていないのかもしれない」と大記者は断罪している。
そういえば共同通信の常務理事だった古澤襄(のぼる)さんによれば朝日が大特ダネの如く一面で大々的に報じた前防衛事務次官守屋武昌の日記は何ヶ月も前に「焼却」したと本人が言っていたそうだ。
出ていない者を出ていたと突っ張った民主党、無い日記を「あって、地検が押収」と匂わせた朝日新聞。中国と食品業界で大流行の「偽装」を自分たちもやっているのだ。反省しなさい。守屋夫妻も拘置所で「反省している」ではないか。
肝腎の小沢代表は「幹事長一任」と責任を鳩山幹事長に押し付けて知らん振り。これでは「事件」の責任追及は成されまい。したがって民主党の「いい加減」体質は変わらず「事件」は3度、4度と怒るであろう。文中敬称略。2007・11・30

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