スパイ映画でおなじみのMI6(エム・アイ・シッックス)は、かのジェイムズ・ボンドが所属する秘密情報部。007は架空の物語だが、原作者のイアン・フレミングは実際に情報部員時代の経験を生かして、ジェイムズボンド・シリーズを書いた。
MI5(ファイブ)のほうは情報局保安部(軍情報部5課)。
フィナンシャルタイムズ(12月3日)速報によれば、MI5責任者が英国の銀行(銀行名を特定していない)に対して、「中国国有企業の金融活動に警戒を」と異例の警告をだしていることが分かった。
秋のシドニーAPECでは、春先にペンタゴンのネットワークが中国のハッカー襲撃でずだずだにされたことをブッシュ大統領は首脳会談の席上、胡錦濤に抗議した。
温家宝は訪独のおり、メルケル首相からハッカー襲撃に関しての抗議を受け「善処する」と回答した。2日に訪中した高村外相は、温首相とあっても、抗議した形跡はかけらもない。
マネーロンダリングの取締ばかりではなく、金持ちとなった中国は各国に政治的謀略資金をばらまいている。
ヒラリーに85万ドルを不正献金していた事実も発覚し、民主党から圧勝ムードが消えている。これも中国の謀略活動が遠因にある。
それにしても中国国有企業が英国の銀行を通じて、どういう謀略を次ぎに仕掛けようとしているのか、明かではないが、英国政界ばかりが焦点ではないだろう。
ロンドンはビッグバン以来、世界を自由に行き来する投機資金のプールでもあれば中継地でもあり、多国籍企業の自由な金融活動に恵まれている。
シドニーには親米保守のハワード政権を打倒したラッド率いる親中派政権が誕生したが、仮説としては、ロンドン経由シドニーという資金の流れも推理小説の世界を超えて、おおいに考えられる。
政界復帰を狙う親中派のタクシン元タイ首相もロンドンに亡命している。パキスタンのブッド元首相も、つい先日までロンドンに生活していた。(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より)
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1255 MI5(英国情報局保安部)が銀行に警告 宮崎正弘
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