シンガポール国家投資機関「テマサク」、メリルリンチへ50億ドル。世界を覆い始めた華銭(人民元、香港ドル、シンガポールドル、そして台湾ドル)。
快進撃?中国投資公司がぽんとモルガンスタンレーへ50億ドル出資したことは既報のとおり。中国工商銀行が南ア最大の「スタンダード銀行」に55億ドル出資して筆頭株主。これはアフリカの金融界に中国が確固たる足場を確保した、と同義語である。
CITICのベア・スタンスへの出資交渉も本格化してきた。CITICは中国国務院直営の総合商社兼金融企業。ほかにも中国開発銀行がバークレー銀行に三〇億ドル。
シンガポールの投資庁である『テマサク』は、中国投資公司の先輩格、中国がモデルとしている投資専門企業だ。
つい先日もテマサクは、スイスの名門UBSに100億ドルを出資した。つづいてウォール街の老舗メリルリンチに50億ドル出資を決めた。
テマサクは運用資産1000億ドル、タイの電信電話会社を買収したときも騒がれた。なぜならテマサク買収のタイの「シン社」は前首相のタクシン一族の企業だったから。そのタクシンは、亡命先のロンドンから香港へ入り、四月までにバンコックへ帰国を狙っている。本人は「政界復帰はない」としているが、親中派の企業家ゆえに、その金融の辣腕は期待されているところだろう。
テマサクは「中国東方航空」へも25%出資を決め、中国への食い込みが激しい。もっとも成長が著しい中国の航空業界へはドラゴン航空、海南航空などに、かのジョージ・ソロスも投資しているが。。。
ともかく欧米の老舗銀行、証券会社が次から次に華銭の投資対象となり、世界は中国の金に満たされつつある。「華銭」の快進撃だ。この先、何が待ち受けているのか。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト(12月24日現在1331本)
コメント