「北京オリンピックを目前にして、およそ時代錯誤なやり方だが、中国の意に染まない外国人特派員の記事を規制する公安特務的なやり口。福島さん個人の問題にしてはならない。反響が大きければ、渋々記者証の更新を期限切れ直前に下ろす可能性がある」・・・産経新聞の福島香織北京特派員の記者証が更新されない問題を私は取り上げたが、ギリギリの26日になって記者証が更新でき、ビザ更新の手続きができたという。
<12月26日、やっと記者証が更新でき、ビザ更新の手続きをしてきました。読者の皆様、お騒がせ&ご心配かけました。これほど大事になるとは、正直、思っていなかったので、ブログの影響力というものにちょっとびっくりです。いろいろ、お聞きになりたいことはあるかと思いますが、この件は、もはや福島個人ではなく、産経新聞と中国の問題になっていますので、ここでこれ以上の内幕の話はひかえさせていただきます。伊藤総局長はじめ同僚の方々、本社の方々にはほんっとうに、ご迷惑、お手数をかけました。もう、平謝りです。
そして17日のエントリーにはたくさんのコメントをお寄せいただき、ありがとうございました。中国の読者の方も結構いるんですね。イザというコミュニティー内のゴシップ・ブログ、というポジションで行こう、と思って書いていたブログですが、意外に広い範囲の読者がいることに今回気づかされました。特に中国人の同業者の方からも、コメントいただき、感激です。仕事に追われる忙しい特派員の方が、広いネットの海の中で、このブログにたどり着いてこられた、というのは、何か縁分を感じますね。いつか、どこかでお会いできることを願っています。会ったとき、オレだよ、オレ、とかいってください。
励ましも、批判も、ヤジも、読者の方々の反応はすべて刺激とエネルギーになりました。本当に、うれしかったです。時間をいただければ、すこしずつにコメント・レスしていきたいと思います。
さてこのブログですが、一時期はいよいよ閉鎖か、と覚悟していましたが、未だにどこからもブログを閉鎖しろ、とお達しがないところをみると続けていてもいいみたいです。さすが、産経新聞、太っ腹!本当のことをいうと、事態が妙に大きくなってゆくのをみて、辞表は(ヘタな)自筆で書かないとだめなのかな、とかそんなところまで考えていました。
さてビザが延長され、ブログも生き延びた(ほんとうに?)わけですが、この2週間ほどの周囲への迷惑のかけっぷりをみると、やはり自重できるところは自重せねば、と改めて思いました。「毒は耳かきいっぱい分」(by石井英夫氏)というのを目指していたにもかかわらず、大さじ半くらいぶち込んだエントリーもあったと思います。ブログというのは、紙面と違って味見しながら慎重に料理するたぐいの原稿ではないので(通常の三倍速で書いています)、すごいまずいエントリーも、今から思えばあったような。思いあたるものは、こっそり削除しておきました。
読者の中には、福島よ、ひよるのか、とお叱りの方もいらっしゃるかもしれません。ですが、記者は現場にいてナンボ、自ら現場を奪われるような軽はずみなマネはするな、と叱ってくれる方もありました。「100本マンセー記事を書いてスクープを」というコメントもありましたね。ウソや心にもないことは書けませんし、書くべきことを見過ごすこともできないタチ(血液型O型)ではありますが、どの記者も厳しい条件のもと、ぎりぎりのセンでがんばっているのだから、なんとか現場にのこって限られた報道の自由の枠内で、この国で起きていることを誠実に伝えていく努力をあきらめてはならない、と思いました。
というわけで、今後も、北京趣聞博客をよろしくお願いいたします。こんなあまいエントリーではいかん!とか、毒多すぎ、とか思われたら、批判でも、ヤジでも、コメントください。産経新聞、サンケイEX、ビジネスアイ、メトロポリターナにも書き続けていきますので、見かけたら読んでやってください。
追伸:中国外交部さま、すてきなクリスマス・プレゼントありがとうございます? せっかくのクリスマス・イブをヤボな会議でつぶさせてしまいました~。>
素直に喜んであげたい。「だが、それによって福島さんの筆が鈍ることになっては、相手の思う壺になりかねい」とも私は言った。基本的には報道の自由がない国で媚中報道にならず”ひよらない”報道をするのには伊藤正中国総局長という恰好のお手本がいる。
共同通信社の北京特派員以来、産経新聞の中国総局長に転じた今でも、その中国報道はギリギリの線までジャーナリストとしての批判精神を失っていない。ただ北京という現場にこだわっているだけでないことを知るべきであろう。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト(12月24日現在1331本)
1324 良かったね!福島さん。でも・・・ 古沢襄

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