1342 福田内閣と米内内閣の類似性(1) 古沢襄

半藤一利氏が福田内閣と戦前の米内内閣の類似性を指摘していた。米内光政という海軍の将星については、よく知られているところだが、米内内閣と言われても戦後生まれの人たちは、よく知らない。戦前・戦後の日本政治史に詳しい作家の半藤一利氏だから、こういう比較論が出来るのであろう。
第74議会で質問に立った社大党の水谷長三郎氏は、海軍大臣だった米内光政に「陸海軍の膨大予算を消化し、生産力拡充、物資動員計画を遂行するためには、経済組織に革新的な大改造を加えなければならないと思うが、海相としての所見をたまわりたい」と質した。
これに対する米内答弁.
予算は海軍だけ、陸軍だけがとやかく言うべきものではない。政府で国内情勢、国際情勢を考慮してやるべきものである。私は軍人で経済のことは知らないが、統制経済にも限度があり、一つの統制は他の統制を生み、やがてキリがなくなってしまう。
そして統制のための統制となり易く、それでは国が亡びるということになりかねない。国内経済の自由にも自ずから限界があり、現在の経済機構についても改革しなくてはならないものもあると思う。
ただ余り急激な改革は角をためて牛を殺すことになるので、気をつけなければならない。レボリューションではなくエボリュ-ションでなくてはいけないと考えている。
これが経済のことは知らないと前提にした米内の答弁だったから、満座の議員たちが驚いた。重臣の間で政治家・米内の評価が話題になっている。(続く)
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