台湾の新聞が伝えていることだから、ニュースソースは不明である。しかし台湾海峡をめぐって米中海軍が一時緊張状態に置かれたと共同と毎日が伝えている。
ことの起こりは香港で休暇を過ごす米空母キティホークの寄港を中国側が拒絶したことで始まった。母港の横須賀から乗組員の家族たちは空路、香港に来ていたからキティホークの方も納まらない。
台湾海峡のど真ん中をキティホークら八隻の艦艇が北上する示威行動をしている。これに中国海軍が潜水艦とミサイル駆逐艦に尾行する騒ぎとなった。このミサイル駆逐艦はキティホークを追尾した足で、日中防衛交流のため東京・晴海ふ頭に入港している。
大騒ぎするほどのことではないが、軍事衝突はちょっとしたことが原因で暴発する。休暇が香港で出来なかったといっても米海軍の威信が傷つけられたわけでない。今になって28時間の緊張を米側から台湾当局に軍事情報として提供されたことに政治的な意図が感じられる。
<【台北15日共同】昨年11月に米空母キティホークが中国政府に香港寄港を一時拒否された後、台湾海峡を通過した際、中国海軍の潜水艦とミサイル駆逐艦に尾行され、米中双方は同海峡内で約28時間にわたって対峙したことが分かった。15日付の台湾紙、中国時報が報じた。米国から台湾に提供された軍事情報としている。同紙は、中国がキティホークの香港寄港を拒否するなど米中関係が緊張したことが対峙の原因と分析。(共同)>
<【台北・庄司哲也】15日付の台湾紙「中国時報」は、昨年11月に米空母キティホークが香港への寄港を拒否され、台湾海峡を通過した際、中国海軍のミサイル駆逐艦「深セン」と宋級潜水艦に追尾され、28時間にわたり対峙(たいじ)したと報じた。
同紙によると、香港入港を拒否されたキティホーク中心の空母戦闘群8隻は11月23日に台湾海峡に入り、中台中間線の台湾側に沿って北上。中国南部海南島付近で演習中だった深センと、台湾南東沖で活動中だった宋級潜水艦が台湾海峡に移動し、米艦隊を追尾した。
在日米軍のP3C哨戒機が中国側の動きを探知し、キティホークは艦載機を発進させ上空から護衛させた。キティホークが停止すると中国側も停船するなど米中双方の対峙は25日まで続いたという。
キティホークは台湾海峡を離れた後、拠点とする米海軍横須賀基地へ向かった。中国側は宋級潜水艦がそのまま中国の港に戻ったが、深センは米艦艇とともに北上後、日中防衛交流のため日本へ向かい、28日に東京・晴海ふ頭に入港した。(毎日)
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1389 28時間の軍事緊張 古沢襄

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