中国がトルクメニスタンとの間にパイプライン敷設、190億ドル。
誰もやらないことを真っ先にやるのがチャレンジ精神とはいえ、この世紀のプロジェクトには地政学的な不安がつきまとう。
さきに中国は新彊ウィグル自治区に噴出する天然ガスを、えんえんと4200キロものパイプラインを敷設して上海に繋いだ。
つぎに新彊ウィグルの隣にひろがる資源大国=カザフスタンとのあいだに鉄道を繋ぎ(91年)、パイプラインを繋いで(05年)、石油とガスを輸入し始める。さらにカザフからウズベキスタンを超えて、砂漠の奥地、トルクメニスタンとの間に、ガス輸送の契約をなした。引退した呉儀前副総理が責任者だった。
このためのパイプラインは総延長6000キロ。
この世紀のプロジェクトにペトロチャイナは190億ドルの正式に出資を決めた(ヘラルドトリビューン、08年1月17日付け)。
1000立方メートルあたり195ドルという国際価格より高いガス代金となるが、これで2010年より、トルクメニスタンのガスは、中国を東西に横断し、上海の南、広東地区へと輸送されることになる。
ところで、ペトロチャイナの株価、昨年11月のピークから30%の値下がりを示している。
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1393 世紀の愚挙か、大冒険か 宮崎正弘

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