1428 大阪府知事選の影響 古沢襄

自民・公明両党と民主党らの四つ相撲となった大阪府知事選は、、自民党府連の推薦、公明党府本部の支持を受けた無所属新人の弁護士でタレントの橋下徹氏が、民主、社民、国民新推薦で元大阪大教授の熊谷貞俊氏らを大差で退けて当選した。
衆院本会議を途中退席して府知事選の応援に駆けつけた民主党の小沢代表の面子は丸つぶれ、小沢神話は地に墜ちた。注目すべきは民主党の支持層のかなりの部分が橋下氏に投票したことである。
地盤沈下が著しい大阪府の再生が三十八歳の全国最年少知事の誕生で可能かどうかは、これからの問題。行く道は険しいと思うが、私が関心を持つのは、この選挙結果が政局に与える影響である。
さきの国会で海上自衛隊によるインド洋の給油・給水活動を三分の二の衆院再議決で再開した福田政権が、通常国会で道路特定財源の暫定税率を維持する政府案を年度内に処理を迫られている。福田首相は小沢代表との党首会談を行ってでも、民主党の理解を求めようとしているが、力勝負で解散・総選挙を迫る民主党は乗ってこまい。
インド洋の給油・給水活動の再開でも国民の賛否は相半ばしていた。道路特定財源の暫定税率を維持についても国民の賛否は分かれるであろう。アメリカのサブプライム問題で端を発した世界経済の混乱は、日本経済にも少なからず影響を与えている。
民主党が力勝負で出てくるかぎり、政府与党は逡巡することは許されない。責任政党として対応する覚悟が福田首相にあるのだろうか。真っ正面からぶつからないかぎり両者の間で妥協する道は開けないと思う。福田首相が最初から妥協する態度で終始すれば、力勝負に賭ける民主党を勢いづかせるだけである。
大阪府知事選は民主、社民、国民新推薦の熊谷氏が急追して逆転の可能性があると一時はいわれていた。それを大差で退けたのだから政治的な影響は大きい。その認識が福田首相にあるのだろうか。せっかくのチャンスを優柔不断のままズルズルと見送るようであれば、福田政権の命運は尽きると思う。
政権は長きをもって尊しとはしない。与えられた条件の中で全力を尽くすだけのことである。結果は後からついてくる。
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