1503 ケネデイ暗殺の再現はあってはならない 古沢襄

彗星のごとく現れ、快進撃を続けるバラク・オバマ上院議員に全米の注目が集まっている。<【ワシントン12日時事】米大統領選で激戦が展開されている民主党候補指名争いで、首都ワシントン(コロンビア特別区)とメリーランド、バージニア両州の予備選の投票が12日午前(日本時間同日夜)、バージニアを皮切りに始まった。9、10両日に計4州の予備選・党員集会で全勝して勢いに乗るバラク・オバマ上院議員が快進撃を続けられるかどうかが焦点だ。
首都周辺には、連邦政府や議会、軍の関係者が多く住み、政治に対する有権者の関心も高い。オバマ氏が訴える「ワシントンの変革」と、ヒラリー・クリントン上院議員が前面に掲げる「経験」との争いに、おひざ元の有権者がどう判断するか注目される。(時事通信)>
だが誰もが腹の中で懸念しながら口には出さないことがある。オバマ大統領を快く思わない保守過激派が大統領暗殺の挙にでる懸念である。ジョン・ケネデイ大統領の暗殺事件はまだ背景が定かでない。その再現はあってはならない。
大統領選挙の最中には、このような忌まわしい事件は起こらないであろう。暗殺事件が起これば、一番先に疑われるのは共和党右派。マケイン候補は大きな打撃を受けて、民主党のヒラリー候補が圧勝する。それが分かっていて暗殺事件を起こすことは考えられない。
アメリカ社会はいずれ非白人の人口が白人系の人口を上回る。ヒスパニック系やアジア系移民、黒人の労働力によってアメリカ資本主義の底辺が維持されている。しかし、アメリカ社会を牛耳っているのは少数のパワーエリート、つまりは白人系である。
たしかにライス国務長官もパウエル前国務長官も黒人系だが、白人系の大統領に仕える立場でしかない。しかし絶大な権力を持つ大統領に黒人系がなれば、保守過激派は黙っている筈がない。オバマ候補が唱える”チェンジ(変化)”は、白人優位のアメリカ社会の革命と映るであろう。
アメリカの初期の繁栄は黒人の労働力によって支えられた面が大きい。今はそれにヒスパニック系やアジア系移民が加わっている。単なる労働力としてか見なかった非白人が大統領を決める投票権を持つに至った。
だが一部のエリートを除けば非白人の社会的な地位は低い。民主党の支持基盤である非白人層は、より上の生活を求めて黒人はオバマ、ヒスパニックはヒラリーの熱狂的な支持層になっている。
黒人層やヒスパニック、アジア系移民層が社会的な地位を向上してくれば、今までそれにに乗っていた白人層から落ちこぼれが出てくる。そのプワー・ホワイト層が極端な黒人などに対する排撃思想を持って、過激行動にでる構図となった。構図的にみるとアメリカの病弊は根が深い。私の懸念が杞憂で終わればよいのだが・・・。
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