1530 気になるパキスタン情勢 古沢襄

海外のことは外国通信社の情報をまず読むことにしている。だがパキスタンの政治情勢がどう転がるか、外国通信社も掴みかねている。予想通りパキスタン下院の総選挙は野党・パキスタン人民党が圧勝した。
ブット元首相の悲劇的な暗殺事件がなければ、ムシャラフ大統領とブット元首相による連立政権が誕生して、不安定なパキスタンの政治情勢は一応の小康状態を保っていたであろう。それがまた米国の狙いであった。
しかしシャリフ元首相は、ムシャラフ大統領に対し国民の支持を失ったと述べた。政情は混沌としている。
核を保有しているパキスタンの政治情勢が不安定化すれば、国際情勢は一気に緊張する。テロリストの手に核がわたることだってあり得る。パキスタンはアジア・中東の火薬庫なのである。
米国の後押しを受けていたムシャラフ大統領の権力基盤は明らかに弱体化した。タリバンと気脈を通じているといわれるパキスタン軍部の動きも気になる。見方によってはイラクやイランよりもパキスタンの方が懸念材料が多い。
構図的には中国がパキスタンを支援し。ロシアがインドを支援していると言われていた。しかし、米国はパキスタンとインドに深くかかわっている。この五カ国は核保有国である。ブット元首相の暗殺事件は国際的にみても大きな事件であったことが分かる。
折しも米国は大統領選挙の一色となった。レームダッグとなったブッシュ政権はパキスタン情勢に有効な手だてを打ち出せないでいる。だからパキスタンの政治情勢について確たる見通しを外国通信社も掴みかねている。気になることである。
<[イスラマバード 19日 ロイター] 18日に実施されたパキスタン下院(定数342)総選挙は、野党が圧勝した。19日の暫定開票集計結果によると、昨年12月に暗殺されたブット元首相が率いた野党・パキスタン人民党(PPP)が同情票も手伝って第1党となった。
ただ、単独で過半数は獲得しておらず、連立を組む必要がある。
一方、与党でムシャラフ大統領支持派のパキスタン・イスラム教徒連盟(PML)はこの時点で第3党に転落。同党の広報担当者はロイターに対し「有権者はわれわれの政策を拒否した。われわれはその意思表示を受け入れる。国家の最大の利益のため、われわれはどの党とも協力する意向だ」と述べ、連立に前向きな姿勢を見せた。
現地時間午後6時(日本時間午後10時)時点の開票結果によると、PPPが86席、シャリフ元首相率いる野党・イスラム教徒連盟ナワズ・シャリフ派が65席を獲得。PMLは37議席に留まっている。
一部の議席は選挙対象外。70議席は女性と宗教的少数派の枠となっている。 
シャリフ元首相は、ムシャラフ大統領に対し、国民の支持を失ったことを認めるよう呼びかけ、「国民が何を求めているかが今日、示された」と語った。
元首相はまた、ブット元首相の夫でPPPの共同総裁を務めるアシフ・アリ・ザルダリ氏と21日に会談する計画を明らかにした。「あらゆる民主的勢力と協力することを楽しみにしている」と述べた。
一部のアナリストはPPPとイスラム教徒連盟ナワズ・シャリフ派との連立の可能性を疑問視している。
ムシャラフ大統領は投票結果を受け入れ、民主国家構築のために勝利したどの党とも協力すると述べた。 
選挙監視グループによると投票率は35%。(ロイター)>
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