20日、サッカーの東アジア杯で、日本代表が中国に勝利した。スポーツニュースを見ただけでも、中国のサポーターの血走った表情と競技場での日本人選手に対する突き刺さるような敵対的雰囲気がしたものの、日本人選手はその重圧を撥ね退けて、全力で闘い抜き、1対0の僅差で勝利したのだった。
緊迫感の中でも、決して怯むことのない若きサムライ達が自分達の力を信じて、相手の恫喝に決して負けなかったことが大きな勝因ではないかと思う。本当によくやったと快哉の声を挙げてしまった。
技術の上では日本が優っていると言われるが、アウェーという圧倒的な不利な状況の中で、4年前には日本人のサポーターが観客席の一部だけに隔離されたり、試合前の国歌演奏の時にはブーイングまで起こり、さらに日本人選手及び日本人サポーターに対する罵詈雑言は大変なものがあった。
さらにわが国は、ギョーザ事件など何かにつけて国民レベルでは標的にされやすいのだが、その意味では今回の試合は国と国との威信をかけた試合でもあった。
また東アジア杯では日本は不思議に優勝できない。これは今の政治状況の中、日本のみ毅然とした主張をしていない姿勢が反映されたものととる向きもあるが、ここに国際政治上でも日本の活路が映し出されている思いがした。
4年前は中国の警察が結局、サポーターを押さえることができなかったが、今回は五輪を控え、国のメンツとして押さえる義務があった。つまり、対日歴史問題は問題があったとしても、中国当局が人民を抑えることは可能なのであり、暴動化するのは当局がそのようになる可能性があっても許しているところがある。
正々堂々と戦って勝利をすれば、相手はこれに対して口をつぐむしかないという実に簡単なことなのであるが、少なくとも東アジアにおいては、あらゆる問題がここに帰着するように思われるのである。
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1577 東アジア杯、中国に勝利した日本代表 丸山公紀

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